一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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くさ丈のはかり方

質問者:   小学生   もくれん
登録番号0912   登録日:2006-07-20
学校のテストでくさ丈のはかり方の問題がありました。
ぼくは、いちばん高いところと答えたのですが、×でした。先生は、最後に出てきた葉っぱの根もとではかるというのですが、なぜだかりゆうがよくわかりません。
お父さんも、ぼくと同じ意見で、いつもてっぺんではかれば、いいのではないかと言っています。
本当は、どこではかるのがよいのか教えてください。
テストで出たのは、双子よう植物だそうです。
もくれん さん:

日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用有り難うございます。くさ丈のはかり方に関するご質問は登録番号0912として受付け、お答えします。

テストで「正しいと思った答え」が、先生に「誤り」とされるととても残念ですね。このような話は別にもありますし、私自身も経験したことがあります。ご質問に対する答えとして、もくれんさんやお父さんのご意見は正しいものです。
草丈というのは農業で作物の生育を評価するうえで大切なものです。農業形質の1つとして必ず調べるものですが、「地上部の高さ」と言うことになっています。としますと(1)地面から葉の先端まで、(2)地面からいちばん高いところまで(もくれんさんの答え)、(3)地面から最後に出てきた葉の根もとまで(先生の答え)と3つの答えが考えられます。農業ではすべての作物に共通の測り方を決めていません。
イネでは「地表面からいちばん高い葉の葉先まで」を測定します。単子葉植物はそれで良いのですが、双子葉植物では「いちばん高い葉」を決めるのが難しい作物がたくさんあります。ダイズのようなマメ科の植物では先端の葉を見つけることは簡単ですが、葉は葉柄の上につき、しかも葉柄は斜めに上に出ていますから、「地上部の高さ」はいちばん上の葉の根もとよりも高くなります。このような作物では、やはり、「地面からいちばん高いところまで」を測ります。ダイコン、キャベツ、ホウレンソウなどは、短い茎にたくさんの葉が詰まってついています。トマト、ナスなどの果菜類やその他の葉菜類、根菜類もいちばん高いところにある茎頂付近では葉がたくさん詰まってついています。そして葉自身(葉身)が斜めや横に広がっています。どれが最後に出てきた葉かを決めることは出来ますが、その前に出た葉の方が長く、最後に葉が出る芯(茎頂)の部分よりも高くなるものがたくさんあります。このような作物では、草丈は地上面からいちばん高いところを測ります。ですから、「いちばん最後に出てきた葉の根もと」までを測る測り方は実用的でなく、一般的なものではありません。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-07-24
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