一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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でんぷん合成が行われる場所の大きさとでんぷんの形の関係

質問者:   小学生   山田 由美
登録番号1003   登録日:2006-08-23
少し前に、このコーナーで、でんぷんの形や大きさを決めるのは、でんぷん合成が行われる場所の大きさ違い、期間の違い、などなど教えてもらいました。この、「でんぷん合成が行われる場所の大きさの違い」というのは、葉っぱの大きさの違いだと思っていいのですか?
山田由美 さま

みんなのひろば質問コーナーへの投稿、ありがとうございました。ご質問のなかにある以前の回答(登録番号642)を担当してくださった新潟大学の三ツ井敏明先生に回答を御願いしました。ご質問とは直接は関連しませんが、でんぷんに関する質問と回答はこれまでにも複数あります。こちらの方も、ホームページの過去の質問と回答の検索機能を使って読んでみて下さい。


 「でんぷん合成が行われる場所の大きさの違い」というのは「葉っぱの大きさの違い」ということではありません。例えば、コーンスターチ(トウモロコシデンプン:平均粒径=12.2 ミクロン)と小麦デンプンの大きさ(16.9 ミクロン)を比べてみると葉っぱの小さい小麦の方がデンプンが大きい。この例から分かるように、葉っぱの大きさによってデンプンの大きさが決まるわけではありません。
 イネにおいてもっぱらデンプンを合成し、蓄積している場所は穂についているモミ中であり、ジャガイモでは塊茎(地下茎)です。コメデンプンは小さく(4.8 ミクロン)、角張った多角形をしています。一方、ジャガイモデンプンは大きく(32.2 ミクロン)、卵形をしています。植物によってデンプンが合成され蓄積される場所が違います。でんぷん合成が行われる場所の大きさや環境が違います。これらの違いがデンプンの大きさ、形に表れているのです。

三ツ井 敏明(新潟大学農学部応用生物化学科)
日本植物生理学会広報委員、京都大学
河内 孝之
回答日:2006-08-28
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