一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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でんぷんが作れなくなった雑草の実験

質問者:   小学生   ゆう
登録番号1018   登録日:2006-08-30
はじめて質問します。
雑草に段ボールとビニールを上からかぶせて日光が当たらないようにしてでんぷんが作れないように3日間置きました。
しかし何も変化がありませんでした。
何日ぐらい置けば雑草に変化がでますか?雑草の色など変化しますか?
教えてください。
ゆう さん:

日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。でんぷんが作れなくなった雑草の実験に関するご質問は登録番号1018で受け付け、お答えします。
ゆう さん、雑草って何だろう、と考えたことがありますか?登録番号0948にJSPPサイエンスアドバイザーの柴岡先生がたいへんわかりやすい説明をされていますので、まずこれを読んでください。雑草は、生命力(生活力)がたいへん旺盛な植物ですが、そのエネルギーの元は他の植物と同じように、光合成ですね。ですから、光を当てないで、光合成が出来ないようにしたら、枯れるだろうと思うのは当然です。実際、枯れるはずです。ところが、ゆう さんが、3日間暗くしても、何の変化もおきませんでしたね。まず、植物の種類によって大きく違いますが、盛んに生長している植物では一般に、3日間ほど暗所においたくらいでは見た目には何の変化も起こしません。それは、生育している植物の葉、茎、根などにいつも栄養分(主としてでん粉かショ糖)を蓄えていて、光合成が出来ない条件では、貯蔵栄養分を使うからです。
特に、庭園などに生える雑草は一般に、根を大きく発達させていて栄養分をたくさん持っています。どのくらいの時間、暗所においたら変化がでるかは、植物の種類、暗所おくときの植物の大きさなどによって違います。こんな違いを、ご自分で調べるのも面白い実験になるのではないですか。段ボール暗室(内側を黒く塗った方がよいですね)で囲まれる範囲に生えている雑草の種類、大きさを測っておいて、毎日、変化を観察し続けたらどうでしょう。一般的には、最初に緑色がうすくなりはじめると思います。次第に、黄色から茶色に変化し、弱々しくやせてくるでしょう。黄色い新しい芽がでるかもしれません。でも、そのうち枯れてしまいます。観察するときは手早くして、光に当たる時間を短くする注意は必要です。1週間以上はかかる、根気のいる実験になるはずです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-08-31
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