一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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雨に咲く花

質問者:   大学生   IS
登録番号1038   登録日:2006-09-06
物語を作っています。
そのなかに、雨の中で花を摘む、ということを考えました。
実際、雨に咲く花があるような気がします。
雨の中で花を咲かせる利点とは何でしょうか?
どのような種類のものが花を咲かせるのでしょうか?
ISさま
 みんなの広場へのご質問ありがとうございました。担当の柴岡と申します。“雨に咲く花”は昭和10年に関 種子が歌った流行歌のタイトル(昭和35年にリバイバルされました)ですが、雨の日になると咲く花というのはないと思います。逆にそれまで開いていた花が、雨になると閉じてしまう場合は多く、タンポポ、クロッカス、チューリップなどがその例です。理由は、植物によって違いますが、気温が下がったこととか、暗くなったことなどです。雨の中で咲いている花というと思い出すのがアジサイの花です。アジサイ園に行くのなら雨の日が良く、いきいきとしたアジサイに会うことができます。晴れの日の萎れかかったアジサイは可哀想です。でも、アジサイ(アジサイだけでなくどんな植物も)は人に見られるために咲いているのではありません。受粉・受精をして子孫を残すために咲いているのです。そう考えると、風媒花でも虫媒花でも雨の日に咲く利点がある筈がありません。雨の中で咲いている花は、桂 銀淑の歌ではありませんが“雨の日も風の日も人生”と思って咲いているのだろうと思います。雨の日に閉じてしまう花があっても、雨が降ると消えてしまう花はないので、雨の中で花を摘むことは十分できます。ただ、森山良子のように“一つ残らず”摘むのはやめて下さい。そんなことをされると、植物学者はとても困るのです。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2006-09-09
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