一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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酔芙蓉の花の色

質問者:   一般   カイラス
登録番号1062   登録日:2006-09-28
酔芙蓉は朝白い花が咲き、午後になるとピンクになり、夕方真っ赤に変化します。
何故ですか?
カイラス さん:

日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。ご質問は登録番号1062で受け付け、回答を花の色を専門に研究されている名古屋大学の吉田久美先生にお願いしました。

酔芙蓉のことは、先日テレビかラジオでも話題になりましたので、お問い合わせかと存じます。
午後から夕方にかけて花弁が赤くなったときには、アントシアニンという色素がたまっています。具体的には、シアニジン-3-サンブビオシド、シアニジン-3-グルコシドとされ ています。アントシアニンは最近、抗酸化性などで有名ですが、いわゆる、リンゴやバラなどの赤色を発色させる分子です。
朝方の白色の花弁にはこの色素は全く含まれておらず、そのために無色(白色)です。
午後になると細胞内で色素が新たに生合成されて、花弁にたまるので、赤色が濃くなっていきます。実際に、アントシアニンを生合成する酵素の活性が7倍程度まで上昇しているとの論文報告もあります。

吉田 久美(名古屋大学大学院情報科学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-10-03
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