一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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セイヨウフウチョウソウの花色の変化

質問者:   公務員   近藤
登録番号1068   登録日:2006-10-04
登録番号1062の質問(スイフヨウの花の色)を見て思い出しました。

以前、庭にセイヨウフウチョウソウを植えていたのですが、咲いた当日の花はピンク色なのに、翌日には皆白くなっていました。
これはなぜですか?(蕾はピンクだったと思います。)

正確な種名・品種名はわかりませんが、20年くらい前なので、和名「セイヨウフウチョウソウ」そのものだと思います。
朝日週刊百科(旧)「世界の植物」のセイヨウフウチョウソウの写真とそっくりです。
近藤さん:

質問登録番号1068は、名古屋大学の吉田久美先生にうかがいました。
セイヨウフウチョウソウそのものについての色素の研究は、あまりないようです。
以下のお答えを頂きました。

近藤様
ご質問いただき、ありがとうございます。
花色についても、まだまだ不明なことはたくさんありまして、セイヨウフウチョウソウについては、私自身は、実際に調べたことがないので、推論しか申し上げられません。

考えられることとしては、ピンクの花弁の色素がアントシアニンだとしたら、1日後には、それが分解されているということかと思います。
そのアントシアニンが比較的単純な構造の場合、液胞pHが上がれば、退色することもあるでしょうし、分解酵素の可能性もあります。
あるいは、プロシアニジン(カテキンの重合体で無色)の生合成は、アントシアニンからいく経路も最近知られていますので、そのような酵素活性が生じている可能性もあります。

生花弁が手に入って、分析できれば、是非、調べたいものだと存じます。

吉田 久美(名古屋大学大学院情報科学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-10-06
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