一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アジサイの花色七変化

質問者:   一般   みゆママ
登録番号1334   登録日:2007-07-08
アジサイの花は七変化するといいますが、アジサイの切り花を使って、花色の変化を観察できるような具体的な実験方法があれば教えてください。どんな水溶液を使うとさがはっきり出るか考えています。
みゆママさま

質問をありがとうございました。このコーナーでも花の色の質問への回答ではすっかりおなじみの名古屋大学の吉田久美先生に伺いました。切り花のアジサイの花の色を思い通りに変化させるのはまだまだ困難なようですが、実験へのアドバイスもいただきましたので、参考にしてください。

ご質問ありがとうございます。
アジサイの花色変化の問題は、それこそこれまで、100年以上に渡ってさまざまな研究がなされてきておりますが、決定的な解決には至っておりません。

七変化と言われる現象の中には実は、
「遺伝的に同じ品種が異なる土壌や成育条件で違う色を発色する」と
「ひとつの個体が、経時変化により変色していく」
という区別すべき二種類の現象が混在しております。

ご質問の件は、前者にあたると思いますが、残念ながらあまり短時間で色を変えることのできるような因子はありません。
青色化にアルミニウムイオンが必須であることはわかっておりますが、外からアルミニウムイオンを与えて花色を青くできる時期は、鉢植えの経験からは限られており、私自身は、切り花での実験は行った事がありません。
それ以外は、pH(水素イオン濃度)とポリフェノール類の組成の違いが、細胞内で花色に関係する因子としてわかっていますが、いずれも、切り花に与えてどうこうできるものではありません。

アジサイは水揚げの比較的困難な植物で、切り花では何日も持たせるには毎日茎を切り、水を腐らせないなどの工夫が必要ですが、もし興味をお持ちでしたら、水道水(もし可能ならイオン交換水か蒸留水)と、そこに、硫酸アルミニウム、アルミミョウバン、鉄ミョウバンなどなんらかの無機塩を添加されて、比較実験をなさってもいいのではないかなと思います。
また結果がでましたら、ぜひ教えてください。

吉田 久美(名古屋大学)
JSPP広報委員長、京都大学
河内 孝之
回答日:2007-07-17
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