一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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エフェメラルについて

質問者:   大学生   みな
登録番号1473   登録日:2007-11-18
 「C₄植物のほうが、C₃植物よりも効率よく光合成を行えるが、砂漠などの厳しい条件下でC₃植物が生育する場合があり、その植物のことをエフェメラル植物と呼ぶ。」と講義で聞いたのですが、そのエフェメラルというのはスプリングエフェメラルとは別のものなのですか?
みな さん

質問にお答えします。
質問にあるエフェメラル植物の定義は私には理解できません。しかし、一般的にエフェメラル植物についていわれていることを説明しましょう。エフェメラル(ephemeral) とは辞書で引けば分かるように、短命という意味です。従って、エフェメラル植物とは短命植物と言うことになります。植物の一生が短いものに使います。特別に定義はないようですが、ふつうは、種子発芽から花が咲き種子が出来るまでの一生が6〜8週間位で終わるものを指します。いわゆる雑草のなかにはエフェメラル植物が多くみられます。成育季節の間に数世代を繰りかえすものもあります。このタイプのエフェメラル植物は英語ではweedy ephemerals (短命雑草)と呼ぶようです。春先に林床で、まだ樹木の葉が萌えはじめるめる前に、芽を出し、開花して種子をつくり、樹木が茂る頃には地上部は枯れてしまう草本があなたの質問しているspring ephemerals (短命春咲き植物)です。これ等の植物は地下茎や球根などが生き残り、翌年また芽をだします。

また、砂漠の植物のなかにはずっと種子休眠をつづけていて、短い雨期の間に発芽して一生を終える植物がありますが、これらはdesert ephemerals (短命砂漠植物)です。-( )内の日本名は私が仮に書いたもので、正式な訳語があるかどうか知りません。-
いずれにしても、エフェメラルな生活型はそれぞれの植物の成育環境への適応戦略だといえましょう。
あなたは大学生で、植物の講義も聴いておられるようですので、3つのタイプのエフェメラル植物にはどんな植物があるか、自分で調べてみて下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2007-12-17
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