一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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葉の気孔について

質問者:   中学生   香南子
登録番号1607   登録日:2008-05-11
質問の回答ありがとうございました。何度もすみませんが前のものと一緒に質問しわすれていたことがありました。葉の気孔は二酸化炭素の影響などで気孔が減っていますが、二酸化炭素の影響を受けてから今、はえている葉に影響がでるのか、それとも次の葉に影響がでるのか、遺伝子的にどのような信号が送られるのか、研究や何かで分かっていることなど色々このことについて教えてください。お願いします。
香奈子 さま

 これまでのご質問(登録番号1580, 登録番号1598)に対する回答での実験や測定は全て同じ種の植物で、遺伝子も同じ植物を比較して得られた結果です。これは植物に限らず全ての生物を用いた実験は、できる限りこの条件に適うようにして研究をするのが前提です。二酸化炭素濃度によって気孔の面積当たりの数が影響を受けるのは、その植物を育てた周りの二酸化炭素濃度だけが原因でそのようになるのであり、実験に用いた植物の遺伝的な違いによるものではありません。

 ハスの葉のように気孔が葉の表側にある植物もありますが、大部分の植物では気孔は葉の裏側の表皮細胞の一部が気孔をもつ細胞になっています。表皮細胞になる細胞がどうして気孔をもつ細胞になるのか、これをコントロールする遺伝子が、最近明らかにされてきましたが、これらについては、http://www.jst.go.jp/pr/info/info368/index.html に研究成果の要約があります。しかし、これらの遺伝子の作用による調節が、二酸化炭素濃度によってどのようなメカニズムで影響を受け、気孔をもつ細胞の数に影響しているかは、まだこれからの研究課題です。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2008-05-21
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