一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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葉の色が新緑の時は赤で時間が経つと緑になるのはなぜですか?

質問者:   一般   tutuji
登録番号1653   登録日:2008-06-12
 自然界全てのものが生き残るためにビックリするような技とか手段等を身につけています。
 その考えからしますと、アカメガシワやベニカナメモチのように新緑は赤なのに成長し時間が経過すると緑に変化するのにも、何か生き残るための技が秘められているのでしょうか?それとも他に理由があるのか教えてください。
Tutuji  さん

本コーナーに質問をお寄せ下さりありがとうございます。
この質問には熊本大学大学院自然科学研究科の吉玉国二郎先生がお答え下さいました。ご参考にして下さい。なお、植物の芽生えや若葉の色のことについては本コーナーで度々取り扱われておりますので、そちらの方もお読み下さい(参考となるキーワードは、“アントシアニン”、“抗酸化”、“若葉”などです)。
吉玉先生の回答からいろんな状況が想像できますが、それぞれの植物の備えている“技”を読み解くには今少し時間がかかるようです。

(吉玉国二郎先生からの回答)

一部の植物が芽生えや若葉のときになぜ赤くなるのかについてはまだ充分に分かっていません。しかし、以下のことは証明されてきています。
(1) 葉が赤いと葉の温度(葉温)は高くなる。
(2) 赤い色素(アントシアン)には抗菌作用や虫の幼虫を寄せつけない作用もある。
(3) 赤い色素は、葉緑体(緑色色素を作り、光合成を行う器官)の発達を促進する働き、および発達中の葉緑体を紫外線から守る働きをもつことも知られている。

吉玉 国二郎(熊本大学大学院自然科学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2008-06-23
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