一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

パンジー種子表面に現れる物質

質問者:   会社員   たけ
登録番号1660   登録日:2008-06-18
いつもこちらで勉強させて頂いております。
私も疑問に思い、解決したい事がありますので質問させて下さい。

パンジーやビオラの種子を水につけると、種子の表面に粘度のある透明な物質が現れますよね?この物質はいったい何でしょうか??
自分で調べてみたところ、エライオソームまたはセルラーゼではないか?と言うところまで分かりました。

そして出来ればこの物質を播種する前に取り除き、水浸漬する前の状態にしたいのですが、いい資材が見つかりません。
アルカリで取れるということを聞き、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等の水溶液にも漬けてみましたが、上手く行きません。
なるべく発芽率を落とさず、きれいに落とせる資材や方法はありませんでしょうか。

どうぞ宜しくお願いします!
たけ 様
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。質問にお答えします。

[回答]
エライオソームについては本コーナーの別の質問に関連して解説していますのでそれを読んで下さい。(登録番号1427
おたずねの粘度のある透明な膜はエライオソームではありません。水を吸うとこのようなジェラチンようの皮膜を生じる種子はほかにもありますが、一番ポピュラーなのはスウィートバジルの種子でしょう。この種子は水を吸うと大きなジェラチン状の膜で覆われてしまいます。これはデザートや健康食として広く流通していますので、インターネットでみてください。このような皮膜の成分は寒天のような多糖質でできています。取り除くのは大変でしょう。化学的性質は分かりませんが、私の経験ではバジル種子の場合は酸やアルカリで熱処理しても簡単には分解できませんでした。どうしても取り除きたいときは、布地や紙などで擦るなど物理的に除くよりほかないでしょう。でも、なぜこの皮膜を除去したいのですか、この膜は種子が吸水後乾燥から守るために役立っていると考えられています。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2008-06-23
植物 Q&A 検索
Facebook注目度ランキング
チェックリスト
前に見たQ&A
入会案内