一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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どうして単子葉類と双子葉類に分かたのか?

質問者:   大学生   ゲンゲン・コラーゲン
登録番号1856   登録日:2008-11-26
 この質問も、このサイト内の『単子葉類と双子葉類について』を受けてというところがあるのですが、気になるところがあったので質問させてもらいました。
 よく、単子葉類と双子葉類は葉脈やら維管束の並び方や根の形など分類方法があります。それは、結果論としてそうなんだなと分かるのですが、どうしてそうなったと考えるとわけが分からなくなります。
 今の所立てた仮説では、双子葉類の維管束の並びは導管が内側にあるので、水分を逃がさないようにするための乾燥対策をしているのではないか?ということと、根の形では主根と側根という形態をとる事で、広範囲まで栄養分を確保できるということで土壌環境が悪化したことによる対応なのではないか?ということと、子葉が双子葉というのは、親が発芽時にエネルギーをある程度与えてやらないとやってられないような環境にあるということ意味なのではないか?ということです。ここに共通することは、環境がかなりやばい状況になったころによる対応であると考えられます。反対に単子葉の場合は、簡単に言えば手っ取り早い戦略です。さほど環境が悪くないので、次があるからいいやといった考えです。
 こう考えていくと何かそうなった必然性みたいなものが導き出せそうです。しかし、よく分かりません。調べる方法として、単子葉類と双子葉類の分布図を見て、そこの気候をみたらいいのではないかと考えています。そういった本も何か紹介してもらえたらうれいしいです。仮説でもなんでもいいので、何か意見を聞かせてください。よろしくお願いします。
ゲンゲン・コラーゲン さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ご質問そのものに関して、まず登録番号1613、登録番号1614の寺島先生の回答、登録番号0937の戸部先生の回答をよく読んでください。今回のご質問に対してもほとんどの回答があるように思います。進化という現象を多少誤解しておられる向きも感じます。長い過去の地質、気候の変動の中で、その時の環境に適した変異種が生き残ってきたと考えるものです。したがって、現在の植物の姿が今の環境条件の中で、人が人の生活を基準として考える有利、不利の判断とは必ずしも一致しないものです。ある過去の時期に、原始的双子葉植物から単子葉植物が進化してきたと考えられていますが、それは変異で生じた原始的単子葉植物が現代にまで生き残ってきた、自然が選択してきた、結果で、「必然性」とは違った次元のことと考えられているものです。登録番号1826の回答も参考にしてください。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2008-12-12
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