一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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イネが紫色を発現するメカニズムについて

質問者:   大学生   たなか
登録番号3417   登録日:2016-01-15
イネの葉が紫色を発現するメカニズムを教えていただきたいです。現在、紫稲の初期生育段階(この段階では紫色を発現しておらず、まだ緑色)のSPAD値を測定しているのですが、比較的SPAD値の高いものが濃い紫色を発現する傾向にある気がします。なにか相関関係はあるのでしょうか?
たなか さま

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。ご質問ついては、ご専門の岡山大学資源植物科学研究所の前川雅彦先生にご回答いただきました。
なお、まだご不明の事柄がありましたら、追加質問して下さい。

【前川先生からのご回答】
まず、紫イネの紫色色素はアントシアニンです。イネのアントシアニンは紫外線と低温に強く反応します。ですから、紫イネを蛍光灯等の人口光あるいは温室条件下で栽培しますとアントシアニン着色は弱くなります。アントシアニンは表皮にのみ分布していますので、SPAD値とアントシアニンの発色程度は関係ありません。
以下の文献を参照してみてください。
Maekawa, M., T. Sato, T. Kumagai and K. Noda (2001): Differential responses to UV-B irradiation of three near isogenic lines carrying different purple leaf genes for anthocyanin accumulation in rice (Oryza sativa L.). Breed. Sci. 51: 27-32

 前川 雅彦(岡山大学資源植物科学研究所)
JSPPサイエンスアドバイザー
 勝見  允行
回答日:2016-01-16
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