一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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日本のジャガランダはなぜ花より葉が先?

質問者:   自営業   ひろふじ
登録番号3501   登録日:2016-06-07
 家の近所でジャガランダという熱帯系の木を育てている愛好家のかたがいらっしゃいます。しかし、その人が言うには「外国でみたジャガランダは日本のソメイヨシノの様に、花が咲いてから葉が開くのに、うちも含めて日本のものは逆で、葉が開いてから花が咲くんだよね」とのことです。確かにサクラの様に咲けばより綺麗ですよね。なぜなのでしょうか?
ひろふじ 様

ご質問を有り難うございました。

この質問には岡山県農業水産総合センターの後藤博士がご回答下さいましたので参考になさって下さい。

【後藤博士からのご回答】

ジャカランダは、アルゼンチンが原産とされており、乾期に落葉して、乾期の終わりから雨期の初め頃に花が咲くようです。日本では、冬が乾期に当たり、春になって開花に至ると考えられます。葉をたくさん出すと乾燥には弱くなるため、原産地ではまず花が咲き、雨期になって十分に湿度が上がったことを感受して葉(新芽)を出すように適応していると考えられます。日本ではそこまで乾燥が強くないため、春暖かくなるとともに新芽が出るため、葉が先に成長すると考えられます。

落葉樹木の多くは落葉前に花芽を作っており、その後の環境要因に応答して開花に至ります。サクラなどでは温度が開花時期を決める主要因となっていますが、ジャカランダの開花要因については詳しくは分かっていないようです。もっともサクラにおいてもソメイヨシノは花が咲いてから葉が出ますが、山桜などは葉が先に出ますので、ジャカランダも日本で開花できる品種の特性によるのかも知れません。

 後藤 弘爾(岡山県農業水産総合センター・生物科学研究所)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2016-06-17
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