一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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酸性、アルカリ性がカイワレ大根の成長に影響をおよぼすのか

質問者:   小学生   じゅんじゅん
登録番号3577   登録日:2016-08-17
生活排水でカイワレ大根を育てる実験をしています。
合成洗剤の水溶液では成長しなかったのですが、
その時に洗剤の影響(界面活性剤の影響)ではなく、
酸性、アルカリ性も成長に影響をおよぼすかどうか疑問に思いました。
そこで、食酢原液(酸性)、食酢1%水溶液(弱い酸性)、重曹の飽和水溶液(アルカリ性)、重曹の1%水溶液(弱いアルカリ性)の4種類でもカイワレ大根を育ててみました。
食酢1%水溶液では、発芽したもののその後元気がなく成長はしませんでした。他のものは発芽すらしませんでした。
なぜ、成長に悪影響を与えたのですか?
酸性、アルカリ性の液がカイワレ大根の細胞を傷つけこわしてしまったのでしょうか?
じゅんじゅん さん

みんなの広場のご利用ありがとうございます。
ほとんど同じような質問が登録番号0327, 0365, 0964, 3410その他にありますので、まずこれらを読んでください。ご質問のほとんどの答えが述べられていますので、ここでは要点のみを述べます。大事な点は、調べる溶液の濃度とpH (酸性度、アルカリ度の指標)です。食酢原液、重曹飽和水溶液はpHと濃度が濃すぎることが重なって種子(種)が水を吸うことができなくて発芽できなかったと思われます。食酢1%溶液は濃度としては水を吸収できる範囲ですからある程度発芽は進行してもその酸性度(推定pH2.9程度)が継続的な成長に適さないからです。重曹1%水溶液で発芽もしなかった結果は意外ですが、弱い塩基性とはいってもpH8くらいですから植物の生長には適さない結果です。植物が継続的に成長、生存できるpHの範囲は植物種にもよりますがふつうpH5.5~7.5程度です。

合成洗剤の効果はpHだけではなく、細胞膜(主として脂質でできている)を溶かしてしまうので細胞が死んでしまう効果が主なものです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2017-02-20
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