一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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バラについて

質問者:   自営業   chee
登録番号3579   登録日:2016-08-21
10年前から趣味でバラを育てています。
先日、実生苗をいただく機会があり育てはじめました。
以前から、挿し木苗は接ぎ木苗より病気にかかりやすい、寿命が短いと聞いたことがあります。
実生苗・挿し木苗・接ぎ木苗では、成長過程でどのような違いが出るのか詳しく教えてください。
chee さん:

みんなの広場のご利用ありがとうございます。
バラに特定してお答えすることはできませんが、一般的には登録番号3311の回答をご覧ください。ご質問にほぼ全部お答えしていると思います。それぞれの増殖方法には特徴があります。実生苗はふつう、母樹の遺伝的形質を継承するとはかぎりません。
挿し木、接ぎ木は母樹の挿し穂を使いますのでその形質をすべて継承するクローンですが、この両者は根系の形状が異なります。接ぎ木の目的の主なものは、台木の生理学的特性を利用するものです。たとえば、線虫病に抵抗性のない品種を増殖するために抵抗性のある近縁種を選んで台木とすることで実生苗と同じ根系を確保することができます。接ぎ木苗においては台木根の栄養吸収特性、さらに台木の遺伝子産物が接ぎ穂に影響することが示されています。台木には野生の近縁種を使用することが多く、バラではノイバラを台木とすることが多いようです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2017-02-23
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