一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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過敏感細胞死

質問者:   高校生   コマツナ
登録番号3620   登録日:2016-10-18
植物が過敏感細胞死を起こすことによってデメリットはありますか?
コマツナ さま

ご質問ありがとうございます。植物と病原体に関連する研究をご専門とされている理化学研究所の白須賢先生に回答をお願いしました。

【白須先生のご回答】
良い質問ですね。過敏感細胞死は植物が病原体の侵入を感知した際に自らの細胞を殺して病原体のさらなる侵入を止めるものですが、これはウイルスやうどんこ病(カビ)等の生きた宿主細胞内に寄生し、栄養を搾取するタイプの病原体(活物寄生者、biotroph) には非常に有効です。しかし、灰色カビ病(カビ)等の宿主細胞を殺しながら栄養を奪うタイプの病原体(殺生菌、necrotroph)に逆効果となります。殺生菌の中にはわざと宿主細胞に侵入を感知させて過敏感細胞死を誘導させながら感染する病原体もいます。ですので宿主はどのタイプの病原体に感染されているかを感知しそれに対応した免疫システムを稼働する必要があります。

 白須 賢(理化学研究所環境資源科学研究センター)
JSPP広報委員長
出村 拓
回答日:2017-03-01
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