一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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松葉の長さ

質問者:   一般   坂口啓二
登録番号3636   登録日:2016-11-17
散歩している時に近所の松の木を見て気づいたのですが、松の葉は、2枚の葉が一組になって多数の葉がついています。組になった松の葉の長さはどれも同じ長さですが、別の組の松の葉は、たとえ近傍についている松の葉でも少しずつ長さが違います。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
坂口啓二さま

 みんなのひろばへのご質問有り難うございました。頂いたご質問の回答を東京大学の塚谷裕一先生にお願いいたしましたところ、以下の様な回答が頂けました。勉強して下さい。

【塚谷先生からのご回答】
坂口さん
 ご質問ありがとうございます。ご指摘の通り、松の葉は2枚でひと組の対生で、その根元をいわゆるはかまが包んだ構造になっています。
 松に限らずシソ、ハッカなど対生の植物の葉は、対の中では大きさが揃うのが一般的です。これは1つには、対生の葉ができる際には、2枚同時にできて同時に育つことが上げられます。そのために成長がほぼ揃います。例外は茎そのものに裏表がある場合で、そういうときは対の間でも茎のどちらに付くかで大きく葉の大きさが異なることがありますが、松はそういうケースではありません。
 一方、対が違えば葉を作ったタイミングが異なります。葉の大きさは植物の生理条件や個々の枝の状態等で大きく影響されますので、1本の樹の中でも対ごとに違ってくるわけです。
 しかし盆栽の場合、あまりにそうした違いが目立つと見栄えが悪いので、葉の大きさの違いの出にくい系統が好んで扱われます。例えばいわゆる八房と呼ばれる系統などは、葉が短く揃いが良いのでよく盆栽に使われています。

 塚谷 裕一(東京大学大学院理学系研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2017-02-27
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