一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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種子類の浸水と毒性の減少について (2)

質問者:   一般   ユイ
登録番号3681   登録日:2017-02-03
生の種子類や種実類を料理に使用する場合、アブシジン酸などの人体への影響を減らすために、それぞれに浸水時間の目安があります。
例えば玄米は12-24時間、アーモンドは8-12時間といった具合です。
しかし、規定時間浸水させても、休眠の状態、温度や光などの条件などによって発芽しなかったり、発芽に時間がかかる場合があると思います。
その種子類などが発芽に時間がかかっている場合、また既に発芽能力を失ってしまっている場合でも、一定時間の浸水によってアブシジン酸の量に変化はあるのでしょうか?
それとも浸水時間ではなく発芽させることに、より大きな意味があるのでしょうか?
ユイ様
 登録番号3680, 3681, 3682と3通ものご質問有り難うございました。3 通のご質問が関連したご質問ですので、「種子を水に浸すことでどんな効果が期待出来るか」と言うことにまとめた形で考えさせて頂きます。
 登録番号0473にもあるように、フィチン酸は鐵や亜鉛と結合して水に不溶な状態にあるので、水に浸すことで種子中の含量を減らすことは期待出来ないと思います。
 アブシジン酸ですが、コムギやタバコなどの休眠種子が吸水すると、一過的にアブシジン酸量が高まることが知られていたりして、吸水によるアブシジン酸量の減少を一概に期待することはできないように思います。それより、アブシジン酸は種子だけでなく葉や果実にも含まれており、摂取量から考えると、種子のアブシジン酸量に拘るのはどうかと言う気がします。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2017-02-08
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