一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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沖縄のコケ

質問者:   高校生   たこ焼き三世
登録番号3700   登録日:2017-03-02
沖縄の土の上に生息するコケにはどのようなものがありますでしょうか?一見同じように見えるコケもよく観察すると微妙に違っていました。教えて下さい。
たこ焼き三世 さま

ご質問ありがとうございます。コケを研究材料にされている広島大学の嶋村正樹先生と山口富美夫先生に回答を願いいたしました。

【嶋村先生・山口富先生のご回答】
沖縄県には約500種のコケ類が生育しています。どの種類も体が小さいため、肉眼だけの観察で正確な種名を明らかにするのはほとんど不可能です。しかし質問者さんが気づいたように、それぞれ形に違いがあることは何となく分かります。野外でじっくりと観察して、違いを見分けることはとても大切なことです。

さて、ご質問の文章だけからは、質問者さんが見つけたコケがどういう種類なのかを答えることはできません。沖縄で人家周辺の土の上に生育しているコケの多くは、カサゴケ科、センボンゴケ科の仲間だと思いますが、この仲間には多くの種が含まれていて分類も難しいです。コケは体が小さいため、微妙な環境の違いを選んで生育しています。土の上といっても、その土の水分含有率、pH、粒の大きさ、光の当たり方、
傾斜角度など、条件が変われば生育するコケの種類も違います。環境によってどのようにコケの種類が変わるのか、観察してみてください。種名を調べるためには、図鑑と顕微鏡が必要です。顕微鏡で細胞レベルの観察をします。細胞の大きさ、形、細胞表面の形態などです。顕微鏡で観察したいときは、学校の生物の先生に相談してみてください。

 嶋村 正樹・山口 富美夫(広島大学大学院理学研究科)

JSPP広報委員長
出村 拓
回答日:2017-03-06
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