一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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つぼみをつけないオシロイバナについて

質問者:   小学生   カイマックス
登録番号3834   登録日:2017-07-31
以前オシロイバナのピンク×白色の色の出方について質問したカイマックスです。

その後研究を続け、今まで作ってきたピンク×白でできたものに、黄色のオシロイバナをかけ合わせたら色の出方はどう出るか?を観察しているところです。

しかし、今年種を撒いて育てた中に、どうしてもつぼみがつかない個体が2つあります。
2つともかけ合わせのパターンは違います。

5月初めに種を撒き、花が咲いているものと同じ位の背丈まで大きく育っていますが、他のはたくさん花を咲かせているのに、全然つぼみをつけません。
同じ大きさのプランターで同じ土を使っています。時々液体肥料もあげています。

つぼみをつけない理由は何が考えられるでしょうか?
花を咲かせる方法はありますでしょうか?
カイマックス君

再度質問コーナーへようこそ。大かんげいです。 
オシロイバナのかけ合わせでできた種子をまいて、目的のしぼりの花が出来るかどうか観察を続けているのですね。今までのところどうですか。さて、質問のことですが、面白い現象ですね。しかし、残念ですが、これが原因だという理由をあげることはできません。知っておられるかもしれませんが、オシロイバナの花が開くのはだいたい夕方近くですね。だから、オシロイバナの英語名は 「フォア・オクロック(Four o’clock)」つまり「4時」といいます。カイマックス君の育てているオシイロバナの中で、つぼみが開かないとかいう変わり者がいるのではなく、花のつぼみがつかないというのは不思議ですね。植物にとって花を咲かすことは次の世代につなげていくための大切なことですので、そのために様々なしくみができています。
ふつうの自然環境の状たいでは、植物はまずどんどん大きくなって育ちます。これを「栄養成長」と呼んでいます。そしてある成長段階に来ると花芽が作られ始めます。そして花が開き種子ができます。これを「生殖成長」と言います。栄養成長から生殖成長へきりかわる条件は植物によっていろいろです。そのためには1日の夜の長さとか、気温とかが関係していることが多いです。しかし、植物は成長に不利な条件などのストレスにさらされると、花芽を作り始めることもあります。これは次の世代のために早く種子を作っておこうとする植物の知恵のようなものでしょう。
また、反対に栄養条件が良くてどんどん栄養成長が続くと、なかなか花芽ができないこともあります。一般にチッソ(N)肥料をたくさん与えすぎると、花芽がつきにくくなります。
カイマックス君のオシロイバナは、育てることに関しては全く同じ条件だということなので、上に述べた条件とはたぶん関係ないでしょう。かけ合わせてできた種子を使っているということですので、育てているオシロイバナは遺伝的にばらつきがありますね。もしかすると、つぼみができないものは、かけ合わせの結果、たまたま花芽ができない、あるいはできにくい遺伝子の組み合わせができてしまったのかもしれません。本当に最後まで全く花芽をつくらないのかどうか、様子を見てください。遅くなってから花芽ができるかもしれません。
カイマックス君は小学生なので、できるだけ難しいことはさけて説明してみました。さらに疑問が出てきたら、またこのコーナーを利用してください。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2017-08-03
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