一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ツユクサの蒸散の実験について

質問者:   公務員   トヨタハジメ
登録番号3904   登録日:2017-09-14
中学1年生の息子から質問があり、分からないため、質問させていただきます。
 教科書では、蒸散を調べる実験をホウセンカを用いているのですが、息子の中学校では、ツユクサを用いて実験をしていました。ホウセンカに比べてツユクサの蒸散量が少ない値であったので、質問があります。
 「双子葉類に比べて単子葉類の方が葉の面積当たりの水の蒸散量は少ないものなのでしょうか。」
 どうぞよろしくお願いいたします。
トヨタハジメ さん:

登録番号3903に続く2つめのご質問です。直接的に双子葉類と単子葉類の蒸散量を測定比較した研究結果を見つけることはできませんでしたが、近畿大学の研究者が双子葉類75種、単子葉類19種の葉、萼片、花弁の気孔の密度調査の結果を発表しておられたのでそのデータに基づいてお答えします。非常に詳しい調査で、各部位の表側、裏側の表皮密度を調査されたものです。種によっては裏側よりも表側の気孔密度が大きいものや裏表同じものもありますが、裏側表皮の気孔密度が大きいものの方が大多数でした。そこで、葉の裏側表皮の気孔密度の平均値を計算したところ、1平方ミリメートルあたり双子葉類は162個、単子葉類は98個となりました。気孔1つあたりの蒸散量は種にかかわらず同じとすれば双子葉類の方が単位時間あたりの蒸散量は単子葉類よりも大きいことになります。息子さんの観察結果はこれらのことを反映したものと思われます。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2017-09-26
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