一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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光合成の必要量に影響を与える要因

質問者:   会社員   鉢物ダイスケ
登録番号4075   登録日:2018-04-22
登録番号3308における植物の光合成では、JSPPサイエンスアドバイザー佐藤さまが、「微環境での二酸化炭素濃度を増加させ、光合成速度の上昇をもたらすことが期待できます」とコメントくださっています。
この点、一般的な植物は十分な光量が光合成に必要とされる一方で、テーブルヤシなどの一部の植物( https://kurashi-no.jp/I0013359 )はほとんど光を必要としないようです( https://goodgreen.jp/plants/a34/ )。
これは、上記の質問に照らして考えると、テーブルヤシも光合成が必要ではあるものの、土から吸収される二酸化炭素の吸収率が他の植物よりもテーブルヤシが高いために、このように光の量が少ないということになるのでしょうか。
それとも、そもそも二酸化炭素は無関係で、光量そのものがなくても光合成が行える植物であるということなのでしょうか。
はたまた、光量が少ないために光合成はあまり行えていないが、それでも育つ植物ということなのでしょうか?
鉢物ダイスケ 様

本コーナーをご利用くださりありがとうございます。質問文中に番号を記入させていただきましたが、回答は(3)に近いと言えます。テーブルヤシは「陰生(性)植物」と呼ばれる植物の仲間で、(日本の)真夏の昼間に屋外で受ける光の数十分の一程度の光強度の条件(室内)でも光をエネルギー源として有効に活用して光合成を営んで生育できます。光合成の進行には言うまでもなく二酸化炭素の吸収が不可欠です。陰生植物をいきなり屋外に出して強い光にさらすと、葉が褐変したり黄化したりして植物体は枯れてしまいます。

佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-04-23
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