一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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タンニンについて。

質問者:   会社員   むー
登録番号4129   登録日:2018-06-04
はじめまして。皮革の販売をしており、主にタンニン鞣しを扱っております。革の事を知ろうとすると植物に詳しくなる必要があると感じました。そこでタンニンについて詳しく記されている書籍はありますか?タンニンについてもっと知識をつけたいです。ご回答の程、宜しくお願い致します。
むー さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
「タンニン」は特定の化学物質を指す用語でなく、「タンパク質と結合して変性させる」特定の性質を持つ一群の物質を指す用語です。植物の二次代謝物質で、「渋み」を与える物質です。その共通構造はフェノール(水酸基がついたベンゼン)構造をもつことで、比較的簡単なフェノール配糖体から例えばフラボノイド構造が炭素結合で多数結合した高分子まであります。簡単に言ってしまえば植物ポリフェノール類の多くがタンニンと呼ばれる物質です。タンニン物質についてはそれぞれの立場から多くの研究(例えば植物に含まれる機能として害虫防御効果、抗菌効果、抗酸化効果、粉送昆虫の誘引効果などなど)はあります。ご質問に接し、タンニンを総合課題とした解説書、参考書を探しましたが日本語では見つけることが出来ませんでした。結局ご
自分で調べることになりそうですが、
http://www.hikaku.metro.tokyo.jp/images/pdf/143pdf/02.pdf
などはまずご参考になると思います。本格的には、まずウィキペディアの“タンニン”の記載から調査を始められたらどうかと思います。記載中にある引用項目や外部リンクを調べながら範囲を広げていけば「何を知りたいのか」がはっきりしてくると思います。
また、このコーナーにはタンニンに関して多方面からのご質問がありますので、「タンニン」で検索していただければ概略はつかめると思います。
英文でもよろしければ、Wikipediaの"tannin"のほうがより詳しく記載されています。
私は読んでいませんので些か無責任の嫌いがありますが、内容紹介から推察すれば一読の価値がありそうな古典の再版本がありました。著者はポリフェノール類の専門家のようです。原著はかなり古く1890年代の古典です。
The Tannins,  by Henry Trimble,  Forgotten Books版  
Vol. 1. ISBN-10: 1519323840; 2017.11.15 paper back \1,034 (アマゾン本)
Vol. 2. ISBN-10: 1519323948; 2017.11.15 paper back \1,031 (アマゾン本)

このほか、学術書の抄録的な紹介記事で以下の記載も参考にはなります。
Plant Polyphenols: Vegetable Tannins Revisited (Edwin Haslam, 1989)
https://books.google.co.jp/books?hl=ja&lr=lang_ja|lang_en&id=Zyc9AAAAIAAJ&oi=fnd&pg=PR9&dq=tannins&ots=uQao3Gluia&sig=rYVX8We7LWh2IWVN7U5JG5q3qq8#v=onepage&q=tannins&f=false



今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイサー)
回答日:2018-06-12
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