一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ふわふわの葉の共通点

質問者:   大学生   たかみー
登録番号4216   登録日:2018-08-27
多肉植物が好きで色々と調べているとツキトジのように葉に産毛のようなものが生えている植物を見つけました。
かわいいなと思い、さらに調べるとそれはベンケイソウ科の多肉植物に多いことがわかりました。
私自身の考えだとベンケイソウ科の植物の原産地がアフリカなどの水分が少ない土地で水分を失わないようにするためだと考えました。

本当の理由を教えてもらえたらなと思います。
たかみー さん

前のご質問登録番号4207にあった「ふわふわの葉」の意味が分かりました。これは葉にある毛で「トライコーム」(トリコーム、毛じ、とも言う)で、密生する場合、ある分布をもっている場合があります。 ツキトジなどでは柔らかい直線状のトライコームが密生しているので「ふわふわ」な感じを与えているのでしょう。多肉植物、ベンケイソウ科に限らず非常に多くの(ほとんどすべての)植物の葉、茎にあります。根では根毛もそれです。表皮細胞から形成されるもので、単細胞で枝なし、単細胞で枝分かれあり、多細胞で枝なし、多細胞で枝分かれあり、柔らかいもの、固くとげ状のもの、など形は様々です。その働き(機能)については登録番号1090, 1742, 1993, 2383, 4110を参照していただければおわかりになると思いますが、ツキトジなどに見られる密毛は、強烈な太陽光を和らげる、蒸散を妨げて水の損失を抑制する、が大きな役割だと考えられます。たかみーさんの推定通りです。この他、密毛によって小昆虫による食害を防ぐ働きもあります。どんな形状のトライコームが葉、茎にどのように分布するかは種によって決まっています。近年ではどのような遺伝子類が働いて表皮細胞がトライコームになり、固有の分布を示すかなどが分かり始めています。


今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-08-28
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