一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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シロバナマンジュシャゲの親、ショウキズイセンの亜種の色は何色?

質問者:   一般   後藤
登録番号4245   登録日:2018-10-03
先ほど「白色のヒガンバナについて」の質問を拝見して、疑問に思ったことがあるので質問させていただきます。
「白色のヒガンバナについて」では、シロバナマンジュシャゲはショウキズイセンとコヒガンバナの自然交雑からシロバナマンジュシャゲが生まれた、と記述しております。さらに、「ショウキズイセンとされている種には、核型では3種類が存在し、そのうちの1亜種とコヒガンバナとの自然交配によって、シロバナマンジュシャゲができたと推定されています。」とも記述しておりました。
そこで疑問に思ったのですが、この1亜種のショウキズイセンは何色だったのでしょうか。
コヒガンバナについてはL. radiate var. pumilaと学名が書かれており、調べると赤色をしているのが分かりましたが、この1亜種のショウキズイセンについては学名も色も記述はなく、ただ単に「そのうちの1亜種」としか書かれておりません。
普通のショウキズイセンと同様黄色だったのか、それともシロバナマンジュシャゲと同じ白色をしていたのか、はたまた別の色をしていたのか、気になってしまい頭から離れません。
恐らくは3種類全て黄色をしていたため、特に記述しなかったというのが真相だとは思いますが、気になっております。
元の研究論文を探しても見ましたが、私の力では探し出すことができませんでした。
こんな質問ですが、どうか回答いただけますようよろしくお願いします。
後藤 様

みんなのひろばの植物Q&Aに質問をお寄せ下さりありがとうございます。                                 
ショウキラン(ショウキズイセン)には3種類の核型が知られており、そのうちの1種類とコヒガンバナの自然交配によってシロバナヒガンバナが生じたことについては、植物Q&Aの登録番号 3374で詳しく解説されています。その場合のショウキランの花色が気になっておられるとのことですが、核型分析によってヒガンバナ類の進化を研究されている栗田子郎先生が書かれた「ヒガンバナの博物誌」(研成社)の中の表では3種類とも黄色と記載されています。                                    
私は論文が手に入りませんでしたので、まだ読んでいないのですが、表のもとになった論文は、                            
Hsu,P.、Kurita,S., Lin,J., Yu,Z.(1994) Synopsis of the genus Lycoris (Amaryllidaceae). Sida, 16, 301-333 です。

ショウキランの学名ですが、いろいろ経緯があるようです。牧野新日本植物図鑑では、Lycoris aurea となっていますが、L. aurea は中国に分布していますが、日本には自生していないとのことです。一方、ショウキランは日本にも、中国にも分布しています。形状がL,aureaと似ていますので、かってはL, aureaと同一視されていましたが、葉の形状が明らかに異なりますので別種とされ、 現在では学名としてL. traubii が用いられています。

庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-10-14
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