一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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朝鮮人参に含まれるサポニンについて

質問者:   自営業   バラ窓
登録番号4252   登録日:2018-10-06
TVで放映されている朝鮮人参のサプリメントの成分には、ジンセノサイドと言う物質が含まれている事。
またこのジンセノサイドには、数多くの種類がある事。さらには、別名、あるいは何かの分類方法、総称かですか、サポニンとも呼ばれていると言う事。
そして薬用ニンジンだけでなく、大豆など、多くの植物にも含まれていると言った事が、インターネットでも調べて見て分かりました。

このサポニンについて、何点かお聞きしたく思います。

最初の質問をさせて下さい。サポニンはポリフェノールの一種ですか?
構造式を見てみると、ベンゼン骨格の構造を持ち、OH基が数多くついているような構造ですが。

大豆、ゴボウにも含まれているようですが、これらにふくまれているサポニンは、薬用ニンジンに含まれているサポニン、言い換えれば、ジンセノサイドですが、同じようにジンセノサイドと呼ばれているのでしょうか?
それとの別な名称で呼ばれていて区別されているのでしょうか?

同じく、大豆、ゴボウなどにも含まれているサポニンですが、味覚的には、どう言った特徴があるのでしょうか?
お茶や渋柿のタンニンは渋みがあるのが特徴のようですが、

度々面倒なご質問を致しまして、すみません。お手数をおかけします。











バラ窓さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
サポニンは、主に植物起源の配糖体で、その水溶液は著しく泡立つ性質を持つ物質の総称です。配糖体とは低分子の有機化合物と糖(グルコース、ガラクトース、アラビノース、ラムノースなどが多い)との結合物で、酸で加熱すると糖成分と非糖成分(アグリコンと言う)に加水分解されます。サポニンのアグリコン(サポゲニンと総称します)はトリテルペン(イソプレンというC5化合物が6個結合したもの。ちなみに8個のイソプレン単位が結合したものにカロテン、リコペンがあります)とそれによく似たステロイドの場合があります。朝鮮人参の薬効成分とされるジンセノサイドは環状トリテルペンをサポゲニンにもつ数種類の配糖体群で朝鮮人参(Panax属)に特有の成分とされています。サポニン構造に見られる水酸基は糖のピラン環についている水酸基でベンゼン骨格についているものではありません。したがって、サポニンはポリフェノールの仲間には含まれません。
サポニンはいろいろな植物に含まれていますがジンセノサイドとは言わず、多くは起源植物にちなんだ名称がつけられています。例えば、ダイズではソヤサポノン、チャノキ種子ではテアサポニン、ツバキ種子のカメリアサポニン、ホウレンソウのスピナコサイドなどなどです。
サポニンの味覚に関しては特に記載や指摘がありませんのでどのような特徴があるのかは分かりません。


今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-10-15
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