一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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大玉トマトの葉のつき方と脇芽

質問者:   その他   やっさん
登録番号4291   登録日:2018-11-30
大玉トマトを栽培していて気になることが有るのです。
葉のつき方と花房下の脇芽(特によく伸びる)の関係についてですが、
葉は 花房(中心として)→葉①(90度左右どちらか)→葉②(葉①の反対の左右どちらか90度)→葉③(花房の裏180度)→花房 となっていると思いますが、
自分の観察では葉②の脇芽が花房下の脇芽になっているように思うのですがこれで正しいでしょうか。
実際の栽培で90度、180度と正しく角度はついてはいません、花房の裏180度の葉③を特定する方法は有りますでしょうか。
また果実との関係ですが左右90度の葉は果実の左右の肥大に関係しているようなのですが(某書籍よる)、花房の裏180度の葉はどのような役目をしているのでしょうか。
宜しくお願いします。
やっさん さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ご質問の課題は園芸学界のトマト専門家の間でも共通の認識が得られていない大きな問題と思われます。ご質問はトマトの専門家の方々に伺いましたがいずれも簡単にお答えすることができないとのことでした。伺った専門家のお一人からコメントを頂きましたがその概要は次のようなものです。
「この課題について園芸の専門家に仕組みを理解して頂くには、トマトの苗を前にして口頭で説明する場合でも数時間を要すると思われるので、文字で説明するのは大変困難です。この課題(トマトの葉序)は観察者の捉え方によって結果が全く異なるし、相互に相容れないこともあって共通の認識を得るに至っていません。わが国において卸売り価額の最も大きい園芸作物の一つであることから、トマトを専門とする研究者がたくさんいるし、葉序の観察に特別の機器や施設を必要としないことから、トマトの研究者は日常的に見て知っていることなので、身近の研究者にお聞きするのが早道です。恐らく既にご存じと思いますが、トマトの葉序として複数の提案がされています。「葉の着生位置と果実の着生位置とによって果実の肥大の仕方が変わる」仕組みについては、光合成産物の転流経路を調べれば分かるのですが、そのためには、葉と花序の配列および維管束走向(維管束走行ではありません)について正しく理解しておかなくてはなりません。」
と言う次第で、申し訳ないことですが本コーナーでは簡潔にまとまったお答えをすることが出来ません。
トマトのように育種歴の長い栽培種では遺伝子の組み合わせが複雑になり、品種毎に生理的性質も顕著に変化しています。そのため葉序、花序、腋芽や果実の成長力、環境適応力などの変異の幅が大きく、一口で「トマトでは・・・・」と表現することが出来ないものです。やはり、身近な研究者(お近くの農業試験場など)に直接伺うことをお勧めいたします。

今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-12-12
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