一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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接ぎ木の仕組みについて

質問者:   会社員   ぷち
登録番号4303   登録日:2018-12-08
本来の目的ではない接ぎ木についてです。接ぎ木をすると早く実がつくとのことですが、例えば種から実がつくまで10年かかるものがあるとすれば、種から育てた3~5年くらいのものでも接ぎ木をすると早く実がつくのでしょうか?本来接ぎ木とは良いものを増やす、そして実がつくまで成熟したものだから早くつくのでは?と思っていますが実生からの年数に関係なく接ぎ木により早く実がつくのなら色々したいことが増えると思い質問しました。よろしくお願いします。

ぷち様

みんなのひろばの植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
回答は接ぎ木のしくみを研究されておられる野田口先生にお願い致しました。

【野田口先生の回答】
ぷち様、ご質問について回答いたします。
種から実がつくまでの年数は植物によって異なります。そして、その分子機構についても研究が進められており、植物は樹齢(個体の大きさや成長の程度)をカウンティングしていることも分かりつつあります。ご質問の「接木によってこの年数を短くすることができるか」という点については、接木によって若い枝を成熟した木の上に接木(高接ぎ)することで、実際に開花までの年数を短縮可能な場合があります。例えば、種を撒いてから4年で花をつけるブドウを、高接ぎすると3年で花がつく場合があります。これは、花をつける芽の部分が、自身の樹が花をつけるのに十分な大きさにあると判断しているからなのかもしれません。正確な科学的説明はこれからですが、そのような現象が知られており、実際に技術として一部使われることがあります。


野田口 理孝(名古屋大学大学院生命農学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
庄野 邦彦
回答日:2018-12-25
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