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ユリの種

質問者:   一般   ささやん
登録番号4307   登録日:2018-12-17
ユリを種から育てています。ユリの花はめしべが真ん中にひとつあり、受粉して種が出来ますが蒴果にはたくさんの種がつまっており、薄い種が300個くらいありました。
めしべは大きいので私はたくさんの花粉がついて300個の種が出来ていると思いましたが友人はたった1個の花粉のみが受粉して300個の種が出来たということですべての種のDNAは同じと言いました。
もしそうであればめしべ1個からどのようにして多くの種が出来るのか教えて下さい。
ささやん様

みんなのひろばの植物Q&Aのコーナーをご利用下さりありがとうございます。
被子植物の種子形成のしくみについてはご存知かと思いますが、まず初めにごく簡単に復習しておきます。

めしべの柱頭に花粉がつくと、花粉は発芽して花粉管を伸ばし、花柱を通り子房内の胚珠に到達します。花粉(管)の中では雄原細胞が分裂して2つの精細胞を生じ、そのうちの1つは胚珠内の卵細胞と融合して受精卵となり、その後発育して胚になります。もう1つの精細胞は胚珠内の中央細胞と結合して、その後胚乳になります。胚珠の外側の珠皮は胚と胚乳を包む種皮となり、種子が形成されます。種子の形成には受精が必要です。
したがって、1つの胚珠が種子になるのには、1つの花粉が必要ということになります。どのような種、品種を使われたのか不明ですが、調べられたユリの1つの蒴果(子房由来)の中には300くらいの種子が見られたということですので、子房の中には少なくとも300くらいの胚珠があり、それぞれの胚珠中の卵細胞が300くらいの別々の花粉由来の精細胞と融合、受精したことになります。
植物の受精のしくみを示す模式図の多くでは、子房内に1つの胚珠、2、 3個の花粉および花粉管が示されていますが、これはあくまで受粉から受精までのしくみをわかり易くするために単純化したものです。1子房内の胚珠の数は、植物によって多様ですが、日本産のユリの胚珠数は50~300です。タカサゴユリのように1,000~1,500というものもあります。発芽して胚珠に達する花粉管の数も、それぞれの胚珠内の卵細胞と受精するのに十分な数です。
多くの種子が、1個の花粉のみによって形成されるということはありません。



庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-12-27
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