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コハク

質問者:   その他   USNM8191
登録番号4360   登録日:2019-03-01
琥珀は樹脂が化石化したものだそうです.琥珀の産地は世界的にかなり限られるようです.樹木や植物体の化石はよく出てきますが,琥珀が珍しいのはどうしてでしょうか.
USNM8191 さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
化石は元来、“生物の印象を残す石”とされておりいろいろな種類があります。その中でも琥珀はかなり特殊な化石と言えます。琥珀は、テルペン類を主とする樹脂(近年は合成樹脂ができ、それと区別するため樹木が産生する樹脂を天然樹脂と言う用語が使われますが、このお答えでは樹脂とするものは天然樹脂のみを意味します)が地殻変動による長期にわたる高温、高圧の下で複雑な化学変化、重合によって石化したものです。琥珀の主体は有機化合物です。したがって、大型の樹脂塊でなければ琥珀として残ることはなかったでしょう。ほとんどの樹木は、多かれ少なかれテルペンを主体とする樹脂を産生しますが、特に針葉樹は大型の樹脂道をもつ上に、鳥、昆虫、風雨などによって物理的傷害を受けると傷害樹脂道が形成されて多量の樹脂を産生、分泌します。分泌された樹脂は酸化重合とともに乾燥して傷害部を覆うようになります。これは傷害部を保護するための防御反応と考えらていれます。そのため、針葉樹林が大量に生育した地域、樹脂形成(特に傷害樹脂道形成)が盛んとなる条件、その遺体が地殻変動で琥珀形成に適した条件に置かれていた、地殻変動で形成された琥珀が地上付近まで移動してきた、など偶然に左右される要素が強く働いて琥珀産地が決まってくると思われます。他の化石にくらべて「琥珀が珍しい」のは材料であろう大型樹脂塊の量(個体数)が他の生物遺体数に比べて圧倒的に少ないためでしょう。加えて、宝石としての品質を問題とすれば、そのような琥珀形成の条件はさらに厳しくなりますからますます希少となります。


今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-03-11
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