一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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不定根について

質問者:   高校生   w.t
登録番号4384   登録日:2019-04-04
ある本でトマトには不定根が発生するということを知ったのですが、同じナス科であるナスやピーマンにはなぜ不定根が発生しないのでしょうか。

ご回答の程よろしくお願いします。
w.t様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。
「トマトには不定根ができ、ナスやピーマンにはできない」ということはどんな本に書いてあったのでしょうか。不定根は特別でない限り、どんな植物(維管束のある)でもできます。挿し木は不定根形成させて育てます。培養組織でも不定根と不定芽を形成させて、個体を作ります。不定根というのは、植物個体が発生する時に、幼胚の時からできていた根系に由来するもの(主根、側根など)ではなく、親植物の茎、胚軸、葉などの他の器官の組織から分化するものですが、機能的には本来の根と同じ働きをします。不定根形成は植物の種類によって形成されやす場合、そうでない場合と一様ではありません。不定根が形成されるには植物ホルモンが関係しています。一般にオーキシンとアブシシン酸は形成を促しジベレリンとサイトカイニンは抑制的に働くとされています。挿し木栽培では、植物ホルモンや関連物質が農薬として使われています。自然状態では、植物の年齢、栄養状態などの生理的条件、様々な生育環境条件で不定根形成が影響されます。
ご質問への直接的な回答は、「ナスやピーマンでも不定根は発生します。」



勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-04-08
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