一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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チドメグサの効能について

質問者:   高校生   とり
登録番号4426   登録日:2019-05-17
先日、たまたまチドメグサを見つけ、調べたところその名前が古くから止血に用いられたことから来ていることを知りました。
しかし、具体的にどのような反応が起こっているのでしょうか?
また、チドメグサ以外にも同じ効能を持つ植物はあるのでしょうか?
以上の点について、御回答よろしくお願いします。
とり さん

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
チドメグサ全草の搾り汁を傷に塗布すると止血作用があるとの記載はたくさんあります。いわゆる伝承民間薬として非常に古くから言い伝えられてきたことです。しかし、止血有効化学成分は薬学的に同定されてはいないようです。一般に植物に多いタンニン、フラボノイド、アルカロイドなどがタンパク質と結合して組織を収縮させる収斂作用をもつことから、これらが総合して止血作用を表すと解釈されています。チドメグサには、フラボノイド配糖体、クマリン、フェノール酸、タンニンを含む、との記載がありますが、これらがチドメグサの止血作用の本体だと明言した記録はありません。ほとんどの植物は多少を問わなければこれらの成分を含んでいます。
止血伝承民間薬として記録のある植物は他にもたくさんあります。例えばガマ花粉、ヨモギ、カタバミ、コニシキソウなどがありますが、それ以上は次の記載が参考になると思います。ご参照下さい。

・奄美群島生物資源Webデータベース:
http://www.amami.or.jp/kouiki/seibutsusigen/plant_yakuyou_list_ka.html
・止血作用をもつ植物由来物質:
https://www.kanto.co.jp/dcms_media/other/backno8_pdf36.pdf
・島原の薬草:https://www.city.shimabara.lg.jp/kenkohanto/yakuso_dic.pdf
・熊本大学薬学部 地域伝承民間薬調査:
http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/ecopharma/assets/files/2010/Rep_folk_med_2.pdf



今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-05-20
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