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糖も根から吸収されるのでしょうか

質問者:   公務員   syn
登録番号4528   登録日:2019-09-02
 質問1369に関連してですが、糖が葉から吸収されるのなら、根からはもっと積極的に吸収しているのでしょうか。その場合どれくらいの分子量のものまで吸収できるのでしょうか。
 堆肥を投入する場合はC/Nに注意を払いますが、比率が高くても利用はされていると考えてよいでしょうか。
Synさん

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。質問を歓迎します。
植物の根は糖類を吸収できるかも知れませんが、大多数の植物の糖吸収活性は、たとえあったとしても微々たるものです。なお、菌従属栄養植物(腐生植物とも言われる)のように、土壌中の菌類から有機栄養を得ているものも例外的にはありますが、大多数の植物では地中の糖類を主要な栄養源としては利用していません(登録番号2620 ギンリョウソウ参照)。

さて、堆肥などの有機質肥料ではなぜC/N比を問題にするのでしょうか?これは有機質が植物の直接的栄養となるよりは、次のような間接的効果を持っているからです:1)有機質は土壌中の微生物や小動物(ミミズなど)の生育を促し、その結果、土壌は団粒状となり、通気性が向上する(根の働きには酸素呼吸が必要です)、2)植物の生活には鉄(Fe)、マンガン(Mn)、銅(Cu)などが必須ですが、これらの元素が土壌中に含まれていても植物にとって吸収されにくい形で存在している場合があり、有機物が微生物によって分解されて生じる有機酸がこれらの元素が植物に利用されやすいかたちにしてくれます(これらの元素の利用を容易にするために、一部の植物では根が有機酸などを分泌する例も知られています)。なお、分解されやすい有機質を高濃度に与えると、土壌微生物の活発な呼吸によって地中の酸素濃度が極端に低くなり、また排出されるCO2によって、植物の根の呼吸活性が低下して害を受けることもあります。この場合は、微生物の働きによって高すぎた有機質濃度が低下するにつれ、害は低減されていきます。

一方、窒素栄養は植物の生育に必須です。しかし、有機質肥料がNを高い比率で含むと、土壌微生物による有機質の分解速度が高いときに土壌中のアンモニア(NH3)の濃度が高くなり、高濃度のアンモニアが植物に害を与える場合があります。

これらの理由から、有機質肥料ではC/N比が適度であることが望ましいとされています。


櫻井 英博(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-09-18
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