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四葉のクローバーと植物ホルモンのエチレンとの関係

質問者:   高校生   みゆき
登録番号4587   登録日:2019-11-19
私は今四葉のクローバーについて研究しています。
今年度から始めたのですが情報を再整理するために、前提条件として「四葉のクローバーの外的刺激に関する根拠の有無」を調べています。

ウェブや新聞、テレビさまざまなメディアで調べたのですが、「外的刺激を原基に与えることで四つ葉になる確率が上がる」ということを誰が最初に発見したのか、どんな実験だったのかがどこにも記載されておらず、悶々としています。

登録番号4282を読んだのですが、「植物ホルモンのエチレンが関係しているのではないか」という趣旨のことが書かれていたのですが、

過去に実験などが行われたり、論文に記載されたりといった実例はあるのでしょうか?
みゆきさん

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。質問を歓迎します。
四葉のクロバーについては、西洋ばかりでなく日本でも、関心を寄せる人も多いようで、様々な情報が飛び交っています。その中には、踏みつけると四葉(正しくは4枚の小葉をつけた葉)の頻度が高くなるという報告もあります。

多くの植物は、葉が機械的刺激を受けると伸長生長が低下してずんぐりした草型となりますが、これには植物ホルモンのエチレンが関係しています。植物は、動物やヒトに踏まれる、強い風にさらされる、接触刺激を受ける(キクの栽培では頂部を繰り返し筆でなでてやる)等の刺激を受けると伸長生長が抑えられますが、これはこうした刺激によって植物自身がホルモンであるエチレンの生成を増大させ、それが細胞組織に働くためだということは確立しています。

他方、クロバーを踏むと小葉が四葉のものの割合が増えるという報告もありますが、どのような種や品種を用いて、どのような実験をやった結果、そのようになったかを正確に記載し、また、これと同じような条件で実験をやって、同じような結果が得られたというような報告はあまりないと思います。そうした報告の当否は別として、「踏む」という機械的刺激は同じであっても、四葉の割合が高くなることとエチレンの間に直接的因果関係は証明されていません【登録番号4282】はそのように読み取ってください。はっきり言えば、今のところ、両者の間に、直接的関係は考えられないといってもいいでしょう。

四葉になる原因の一つとして、葉となる原基(分化していない細胞集団)が何らかの傷を受けたためだということが考えられますが、「傷つける」という外的刺激がどのような発達段階の細胞集団によってどのように受け取られ、かつ、ある細胞集団が隣接する他の細胞集団との位置関係をどのように認識し、その結果、細胞内でどのような遺伝子の発現量や物質量がどの段階でどのように変化して小葉4個からなる葉になるのか、未だ見当もつかない状況です

「植物Q&A」のページで「シロツメクサ」で検索し、登録番号0624, 3938などが、学問の状況を把握するのに特に役立つでしょう。また、登録番号0761には、同じ生育地で、ある年は四葉が多く見られたのに、翌年は見られなかったとありますが、その原因は分かりません。園芸品種によっては四葉の割合が高いといわれるもののあるようですが、たとえそのようなことがあるにせよ、学問的にはその原因を解明できような段階にはまだ到達していないという状況だと思います


櫻井 英博(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-11-28
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