一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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種子植物について

質問者:   自営業   yamazaru
登録番号0472   登録日:2006-01-20
種子植物は全て花が咲いて種子が出来るのですか。
花が咲かずに種子ができるものもあるのですか。
yamazaru殿

「種子植物について」の質問を受付ました。回答は以下の通りです。

質問:種子植物は全て花が咲いて種子ができるのか。花が咲かずに種子ができるものもあるか。

回答:
質問の意味は二通りあります.(1)「花がなくても種子はできるか」。(2)「花が開かなくても種子はできるか」。
(1)種子を作る植物は大きく分けて被子植物と裸子植物に分けられます。裸子植物にはイチョウ類、ソテツ類、マツなどの針葉樹類、マオウ類があります。
これらの植物の特徴は、将来種子となる胚珠とよばれる部分が露出していることです。裸子植物の名前もそれに由来します。これに対して被子植物は胚珠が心皮で覆われています。また、花弁や咢のような花葉もあります。わが国の教科書では「花」は種子植物の有性生殖に関係する器官に与えられる名称ですから、被子植物も裸子植物も花があってはじめて種子が形成されます。しかし、英語ではflower という語は被子植物についてだけいいます。だから被子植物は“flowering plants" ともよばれています。従って、その意味では、花が咲いて種子ができるのは被子植物だけということになります。
(2)植物には自家受粉によって受精出来るものが多くあります。つまり、昆虫や風などによって他の花から花粉を運んでもらわなくても、同一の花のなかの雄しべから花粉を受け取って受粉するのです。自家受粉する花のうちで、花が開かないまま受粉がおこなわれるものがあり、このような花を閉鎖花といいます。スミレの仲間、ヒメハギの仲間では一般的なことです。
JSPPサイエンスアドバイザー
 勝見 允行
回答日:2006-02-07
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