一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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雌雄異株の性別継承について

質問者:   会社員   ぼらつち
登録番号4740   登録日:2020-05-26
オペルカリクリアパキプスの根ざしによる性別継承についてご質問です。雌株の太った根を切り取り挿し木の要領で活着して枝葉がでてきました。雌雄異株の場合、親株の性別を受け継ぐのでしょうか。
ぼらつち 様

このQ/Aコーナーをご利用下さりありがとうございます。
オペルクリカヤ・パキプス(Operculicarya pachypus)は雌雄異株の塊根植物ですね。多くの雌雄異株性の植物では、ヒトなどの動物の場合に似て、XY型染色体上の特定の遺伝因子によって性の決定がなされているようです。このため、典型的には、雌株が作る花では雄蕊の発達が抑えられ、雄株が作る花では雌蕊の発達が抑えられる仕組みになっているものと思われます。この遺伝的な性質は一般論としては挿し木においても継承されるものと考えられます。しかし、雌雄異株の特性を生む仕組みは植物の種類によって異なる場合があり、また、柔軟性に富んだ場合があるのが実態のように見受けられます。オペルクリカヤ・パキプスの場合にどのような仕組みになっているかについては私にはわかりませんので、多肉植物に詳しい園芸の専門家に聞かれることをお勧めします。なお、オペルクリカヤ属植物の雌雄異株性を論ずる文献を見つけましたので、英文ですが、下に挙げさせていただきます。

(参考文献)
Daniel Houston & Joseph Stead(2019):(論文名) A discussion of transitional dioecy in Operculicarya:(雑誌名:巻・(号)・頁) Cuctus and Succulent Journal Vol 9 (No. 3) 164-176
(https://doi.org/10.2985/015.091.0301).




佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-05-30
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