一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アサガオの体内時計

質問者:   中学生   あかね
登録番号4822   登録日:2020-08-03
アサガオの体内時計について実験しようと思うのですが、、、
質問1
外に咲いているアサガオで光と開花について実験したいのですが光の暗い、明るいのコントロールはどのようにすればいいのですか?
ツボミが先にある茎で水につけても光の実験はできますか?
(外に咲いているので部屋の電気により実験できません)
質問2
 アサガオの時計遺伝子について簡単に説明をお願いします(それを調べる実験方法は?)
あかね さん

ご質問をありがとうございます。

アサガオの開花に体内時計が関係しているとの考えで実験を計画されているようですね。良い結果を得るには、まずは、安定した実験系の確立が必要だと思います。移動可能な鉢植えものがあると扱いが簡単になると思われますが、あなたの場合には「(屋)外に咲いているので部屋の電気により(光を当てる)実験はできません」の制約があるものと理解します。思い切って、ツボミが先にある茎(あるいはツボミの部分のみ)を切りとり、水につけて育てる工夫をしてみられると如何でしょうか。ただし、このやり方には、芽の切り方、育てる水(培養液)の組成、温度管理などに工夫が必要かも知れません。そして、最初の実験として、切り取った茎片を水に挿したものが、自然光を受ける昼夜の条件下で、自然のものと同じような開花のリズムを示すことの確認が必要です。つる植物を「生け花」のようにして育てることには難しさがありますが、他方ではホルモンを与えるなどの操作が簡単になる利点があるかも知れません。

自然条件下では、アサガオの開花現象は大まかには昼夜のリズムに関係しているように見受けられますが、あなたはこの現象に植物側に備わっている内在性のリズム(体内時計)が関係していると思っておられるのですね。このことを確かめるには、地球の自転にる明暗(昼夜)の影響を消してやる必要があるので、昼夜に関係なく暗黒にしてやるとか、連続して光を照射し続けるように工夫することが必要になりますね。
ところで、ここで問題になるのは暗さと明るさの程度のことですね。この点に関しては、まずは自然条件を参考にして探って行くことにならざるを得ないと思います(実際のところ、夜間に昼間の太陽光に相当する強度の光を当てることはかなり難しいですね)。何個かのツボミが付いている茎を使って連続暗黒にする実験により、開花リズムに影響を与える体内時計があることの確認ができるかも知れませんね。

以上で、ご質問に答えたことになっておりますか? なお、本コーナーには、登録番号1384や登録番号3128など、参考になるQ/Aが掲載されておりますので、ご参照ください。


佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-08-21
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