一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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朝顔の本葉・葉腋と腋芽・花芽の規則性について

質問者:   一般   Misaママ
登録番号4831   登録日:2020-08-13
小学生の子どもを持つ母です。
朝顔の観察をしていた子供から、『どうして必ず葉っぱの根元から蕾が出てるの』『どうして全部同じなの』『どうして葉っぱ−葉っぱ−お花の順番になったりしないの』と質問されて、調べてみたのですが、基本的な事柄すぎるのか、答えがわかりませんでした。

そこで質問です。
①本葉・葉腋と腋芽・花芽の関係性
②なぜ、規則正しい配列で成長していくのか

を教えて頂きたいです。
お忙しい中とは思いますが、よろしくお願い致します。
Misa ママ 様

植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
アサガオの葉の原基は、つるの先端の活発に細胞分裂している組織(茎頂分裂組織)で作られます。茎頂分裂組織は茎の左右、相対する側に交互に葉の原基を作りながら、分裂、成長を続けます。作られた原基は成長して葉になりますので、葉が茎を挟んで1枚ずつ交互に並んだ配列(互生)になります。
葉の付け根と茎の間には必ず腋芽の原基があります(付け根に、腋芽の原基を持っている構造が葉と定義されています)。したがって、つるの基部の方から先端の方に向かって、一番最初に作られた葉の原基が成長した葉、その腋芽、その次に作られた葉の原基から成長した葉、腋芽というように次々交互に並び、最後はつるの先端で一番新しく作られた葉の原基とその腋芽という配列になります。腋芽は成長してつるになる芽ですが、植物が花をつけるのに必要な条件下(アサガオの場合は短日条件)では花芽に変わります。花芽は成長して花になりますので、つるの基部から先端に向かって、葉、花(腋芽が花芽になり成長)、その上の葉、花というように規則正しく配列することになります。
つるの先端が活発に成長している時には腋芽の成長を抑える働きがあります(頂芽優勢)。その働きは頂芽から離れると弱まり腋芽の成長が始まります。その時に花をつけるのに必要な条件になっていると腋芽はつるではなく花になります。したがって、花はつるの基部の方から順番に咲き始めることになります。
なぜというご質問には、なぜヒトの目が二つで、手が二本かという質問と同じように、長い進化の歴史の産物ですのでお答えできません。
このような説明でおわかり頂けたでしょうか?不明な点がありましたら、また、ご質問下さい。
小学生のお子様は、よく葉と花の並び方の規則性に気がつきましたね。すばらしい観察力で、感心しました。
庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-08-22
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