一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物の呼吸と光合成

質問者:   一般   スマイル 北川
登録番号4929   登録日:2020-11-29
こんにちは!突然,疑問に思ったので質問します。

植物は,酸素100%の中でも光合成をするのですか?
日光が当たっていても,酸素だけなので光合成できないですか?
特に,発芽しかけたインゲン豆の種子を酸素100%の空気の中に置いた場合は,呼吸だけで光合成はしませんか?

スマイル 北川 様

このQ/Aコーナーをご利用いただきありがとうございます。

酸素100%の気中では、二酸化炭素は0%ですので、理屈の上では光合成(二酸化炭素の同化)が起こらないと考えることができます。しかし、もし気中以外から二酸化炭素が供給されるとすれば話が違ってきますね(後半の質問に関係)。一般的には、植物の種類(光合成のタイプ)にもよりますが、酸素は光合成に対して阻害的に働くことが知られています(ワールブルグ効果)。しかし、100%に近い酸素濃度下でも、二酸化炭素があれば、光合成は進行するようです(ちなみに、現在の大気中では、二酸化炭素は約0.04%に過ぎないが、酸素は約21%もあり、この条件下では光合成は酸素によって抑制されているようです)。

発芽しかけたインゲン豆の種子では呼吸が盛んで、明暗の条件に関わらず組織から二酸化炭素が盛んに放出されています。「酸素100%の空気の中に置く」と言われる場合、組織から放出される二酸化炭素をどのように取り扱うことになるでしょうか?(前半の質問に関係)。

以上で、回答とさせていただきます。
佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2020-12-01
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