一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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葉の色が緑色の理由と、その緑色が移動する理由

質問者:   会社員   まさお
登録番号4953   登録日:2021-01-02
葉の色が緑色の理由と、その緑色が移動する理由が知りたいです。

葉が緑色である理由は、大雑把にいうと「光合成の過程で太陽光の「緑色光」を反射しているから」、と認識しています。

ではなぜ、「太陽光、光合成、が無い状態でも緑色に見えるのでしょうか?」。
具体的には、以下のような条件が思いつきました。
①夜間(太陽光が無い、光合成をしていない)
②植物と白い繊維が接触すると繊維が緑色に着色する(繊維に付着した植物のエキス等は植物としては死んでいる状態なので光合成はしていない)

「葉の中のどれかの細胞自体が「緑色」に染色している」というならば、上記条件下でも「緑色になる」「緑色が移る」という事は理解が出来ます。

既出の質問と被る部分もあるとは思いますが、お答え頂けると幸いです。
宜しく御願い致します。
まさお 様

このQ/Aコーナーをご利用いただきありがとうございます。

私の流儀で説明させていただくと、「太陽からの光の下で植物の葉が緑色に見えるのは、青色や赤色の光が強く吸収されるため、(反射されて目に入って来る光では)緑色の光の割合が多くなっているから」と言うことになります。なお、青色や赤色の光を強く吸収する色素は「クロロフィル(葉緑素)」と呼ばれ、この色素に吸収される光が光合成に利用されることになります。関連して、注意していただきたい点は、クロロフィルは緑色の光も吸収することです(例えば、本コーナー登録番号1855参照)。

➀への回答:物の色は、当たる光の色によって違って見えます。太陽光(白色)がない夜間には普通は色の感覚が生じないと思います(暗闇)。

②への回答:植物が白い繊維と接触しても、植物組織の破壊がなければ、緑色が繊維に移ることはないと思います。組織が破壊された時には、組織片・細胞・細胞内容物などが繊維に付着する(移る)ことがあるかも知れません。このような状態では光合成の能力が(短期的には)部分的に残っている可能性があります。場合によってはクロロフィルやその変成物が直接繊維に吸着されることがあります。そんな場合には、緑の色合いが葉の場合とは違っていて、光合成の能力はありません。

以上、回答とさせていただきます。なお、本コーナーには関連するQ&Aが数多く掲載されていますので、参考になさってください。
佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-01-04
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