一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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自家不和合

質問者:   その他   kafun
登録番号0513   登録日:2006-02-11
先日タンポポは自家不和合の花だと教えていただきありがとうございました。
ほかにも自家不和合の花あるそうですが、どのようにして確かめるのでしょうか。
花粉管などの観察でしょうか。

ロベリアの仲間も合着したおしべの筒の中から花粉をたっぷりつけためしべが出てきますが、自家不和合でしょうか。
ヤマキケマンでほとんど閉じたような花の中で、柱頭に花粉がたっぷりついているのを見たことがありますが、自家不和合でしょうか。
また虫が閉じたような花の中に入るのは観察されていますか。
クサトベラ科の受粉は自家受粉のように見えますが、他家受粉なのでしょうか。また自家不和合の花でしょうか。

よろしくお願いいたします。
kafun様

自家不和合の現象を示す植物は沢山あります。ハクサイ、ダイコン、キャベツ、コマツナなどのアブラナ科の植物、リンゴ、ナシなどのバラ科の植物、ユリ、ペチュニア、ツメクサ、ツキミソウ、クリ、チューリップ、ヤブカラシ、ワルナスビ、エンゴサク、アケビ、月下美人等々。不和合を示すものの中に、花柱の長さが関係するものがあります。花柱の長い花と短い花があって、同じタイプの花同志は受粉しません。このような現象を異型花柱性不和合とよんでいます。
ソバやミゾハギなどのタデ科、サクラソウ科、ケシ科などに沢山あります。ヤマキケマンやクサトベラ科の植物が自家不和合かどうかは文献を調べてみないとわかりません。ロベリアはいわゆる不完全花なので、多くの花には発達した雌しべがありません。また、あっても、葯が発達しないので肝腎の花粉が作られないのです。ときたま、中には成熟した雄しべと雌しべの両方がそろった花が形成されることがあります。しかし、その場合でも雄しべが雌しべよりも早く成熟してしまうので、自家受粉は起きません。しかし、花粉を採取しておいて、雌しべが成熟した時に人為的に自家受粉させれば、自家受粉は可能なようです。試してみてはいかがですか。花をみただけで、それが自家不和合であるかどうかは判断できません。一般の方が調べるには、実際に人工授粉させてみて確かめるよりしかたないでしょう。
JSPPサイエンスアドバイザー
 勝見 允行
回答日:2006-02-14
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