一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ミズキの幹断面の黒点について

質問者:   自営業   まる
登録番号5345   登録日:2022-03-09
インコの止まり木や玩具を製作していたのですが、ミズキを使う際に断面の黒点が気になりました。
色々と調べたのですが木の外側の病気はあれど中はなく、情報も少なかったので正体がわかりませんでした。
切る前の木自体に枯れや病気等は無く生木で、輪切りにしてみるとどこを切っても黒点がありました。導管のようにやや輪になって点在しています。見た目はカビのようにも見えます。
これがミズキ特有模様なのか、カビなどの病原菌なのか教えてください。

まる 様

ご質問、有り難うございました。多少時間がかかりまして、申し訳ございません。
森林分子生態学をご専門とされています東北大学の陶山佳久先生と、陶山先生の研究者仲間であります筑波大学の岡根先生、森林総合研究所の升屋先生に回答をお願いし、以下のコメントを頂きました。寄せられましたご質問の写真や内容だけでは、正確に判断できないとのことでした。ご了承頂ければ幸いです。なお、ミズキは鳴子こけしの材料に使われていることを知りました。私は仙台に住んでおりますが、黒点のある鳴子こけしは見たことがありませんので、ミズキ特有の模様ではないのではないかと思われます。

【回答】
写真を見る限り、ミズキ特有の模様ではなく、何等かの傷害の痕跡のように見受けられます。地上部に何等かの症状がなくても、地際、根、もしくは枝先(枯れ枝の存在など)に傷害があると仮道管の壊死が部分的に起こることがあり、その影響かもしれません。もちろん、仮道管内に菌糸が入っている可能性もありますので、詳しくは直接観察する必要があります。

陶山 佳久/岡根 泉/升屋 勇人(東北大学大学院農学研究科/筑波大学生命環境系/森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域)
JSPPサイエンスアドバイザー
山谷 知行
回答日:2022-04-04
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