一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ハナニラとワスレナグサの花びらの数のついて

質問者:   その他   池と堀
登録番号5356   登録日:2022-04-09
花びらの数が気になり注視したところ、
ハナニラは11枚、ワスレナグサでは11枚、12枚、13枚の花びらの個体を見つけました。
ハナニラは道端で、ワスレナグサはうちのこぼれ種から発芽したものです。
いずれも少し細長い花形です。
帯化現象なのでしょうか?それとも花芽のサイズがぐらついたためでしょうか?
回答お願い致します。
池と堀 様

ご質問、有り難うございます。
植物の形態形成、発生生物学、系統分類学に詳しい、東京大学の塚谷裕一先生に回答をお願い致しました。なお、過去に植物Q&Aでサクラの花弁(登録番号0675)やクチナシの花弁(登録番号3787)の回答も塚谷先生がされておられますので、参考になさってください。

【塚谷先生の回答】
ご質問ありがとうございます。
ハナニラもワスレナグサも八重咲き品種がまだ確立していないと思うので珍しいことですね。

ハナニラは萼片と花弁に当たる外花被と内花被とがよく似ていてそれぞれ3枚の計6枚、ワスレナグサは花弁が5枚というのが基本ですが、ときどきハナニラは7とか8,ワスレナグサもしばしば6になるのはよく見かけます。これは花芽のサイズがぶれて起きた現象と思います。しかしお尋ねの事例のように、基本数の倍以上になっているとなると、これは違いそうですね。花弁と同時に雄しべの数も増えていますか?
もしそうであれば、ご指摘のように一種の帯化が起きたのだと思います。花が通常の場合と違って放射相称で丸くなく、歪んで全体に楕円形になっているようならきっとそうですね。お確かめください。安定してその株のすべての花がそうなるようならば、遺伝的な変異体かもしれませんが、そういうわけでなければ、偶発的な形態形成のやりそこないかもしれません。
観察をお続けください。
塚谷 裕一(東京大学大学院理学系研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
山谷 知行
回答日:2022-04-11
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