一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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苔植物が生えていると土壌が乾燥しにくくなるのはなぜか

質問者:   自営業   k
登録番号5531   登録日:2022-12-26
盆栽の鉢の土壌表面に苔を生やしておくと乾燥しにくくなるため、土壌含水率が上がり根腐れを起こしやすいということが経験的に言われています。
苔を生やすとなぜ土壌が乾燥しにくくなるのでしょうか?
k 様

ご質問、有り難うございました。

初めに、私は盆栽の専門家ではなく、またコケ植物(コケ類や蘚苔類とも言います)の専門家でもございませんので、わかる範囲でお答え致します。

コケ植物の多くは、湿った環境を好み、温暖で湿潤な環境に生息しています。コケ植物は、茎葉体(縦方向にも伸長)からなる蘚類、葉状体(地表面に沿って伸長)からなる苔類、葉状体から角状の胞子体が生じるツノゴケ類の3つに主に分類されています。ご質問の苔類には、ゼニゴケやジャゴケが含まれます。葉状体には多くの水分が含まれており、地表面に沿って生育することから、土壌からの水分の蒸発は抑えられ、乾燥しにくくなるものと思われます。ラップで土壌を覆った状態に似ているとお考え下さい。蘚類ではスギゴケが有名ですが、縦方向にも伸長しますので、苔類よりは土壌からの水分蒸発が多くなりそうです。しかし、高密度になれば、やはり蒸発は
抑制されると思われます。コケ植物に関しては、ネット上にたくさんの情報が掲載されていますので、私の回答で不十分な場合は、検索してみて下さい。また、植物Q&Aのコーナーにも、登録番号4212はじめ、コケ植物に関する多くの情報が掲載されていますので参考になさって下さい。
山谷 知行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2023-01-06
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