一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

蒸散について 

質問者:   大学生   たかだ
登録番号0717   登録日:2006-05-29
知り合いの中学生に理科を教えているのですが、植物の蒸散のところで質問があります。
教科書などに「植物は吸収した水の大半を蒸散で失う。」とかいてありますが、蒸散により失われる水分の量は大体どれくらいでしょうか?
いろいろ文献をあたってみたのですが、載っていませんでした。
湿度や天気・木の大きさや種類でかなり変わると思いますが、どの植物でも良いので、蒸散量を教えていただきたいです。
たかだ 様

このコーナーに以下の質問をお寄せ下さり、ありがとうございました。

[回答]
植物の蒸散速度や蒸散量は、実用的な観点からも重要であり、また、中学校の理科の実験などでも取り上げられているので、沢山の測定値が報告されています。インターネットなどで調べると直ぐに見つかるのではないかと思います。

 概略を説明しますと、例えば、湿潤な土壌で生育する植物の場合、体内に含まれている水分の5倍から10倍量の水を日中に水蒸気として蒸散させているようです(一日の総蒸散量)。勿論、水は生体内の化学反応(例えば、光合成)に使われ、また、液体のままで植物体から排出されることもありますが、通常、これらの量は蒸散量に較べると大きくはないので、蒸散にほぼ見合う量の水が根から吸収されていると言えます。蒸散の速度は、気孔の開閉に大きく依存しますので、湿度、温度、光条件などの環境要因、葉の構造、光合成の活性などによって大幅に変動します。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2006-05-31
植物 Q&A 検索
Facebook注目度ランキング
チェックリスト
前に見たQ&A
入会案内