一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アサガオを冬に咲かせる方法

質問者:   自営業   清水
登録番号0750   登録日:2007-08-07
はじめまして、突然変った質問で失礼します。
親戚の子供から、アサガオを冬に咲かせる方法を教えて欲しいと言われ、様々な本を調べてみたところ、ある程度の条件は載っていたのですが、親戚も自分もアパートに住んでおり、鉢植えでの条件が載っておらず、いまいち解らないのでどのようにするべきかと、気をつける点がありましたら教えて頂ければ幸いです。
清水様

いろいろな本を調べられたようですから、ご存じかと思いますが、植物のなかには花芽形成が日長によって左右されるものが沢山あります。アサガオは短日植物とよばれ、ふつう一日の日長がある一定の時間より短くならないと花芽が形成されません。勿論アサガオにはいろいろな栽培品種がありますから、あまり日長で影響を受けないものや、”一定の時間” も決まってはいません。実験に用いられるムラサキという一般的な品種は日長が15時間で、一日の日の長さがそれよりも短くなれば、短日と判断して花芽を形成しはじめます。ムラサキは長日条件下(15時間以上の日照。極端なばあいは24時間の日照)で育てていて一日だけ短日にしてやると、花芽を形成しますのでとても敏感な植物です。また、発芽の時から短日にしてやると、双葉のまま先端に花芽を作ることもできます。しかし、花芽形成はただ日長だけで決まるわけでもなく、傷をつけたり、栄養条件が悪くなったりなどすると結局花芽をつけることもあります。栽培するアサガオがどういう素性(品種)のものか分かりませんが、短日条件下で花芽形成をすると仮定して説明します。
通常の植物と同じように鉢に種を播きます。種子を水に漬け、1〜2日置いてから、水を含ませたキッチンタオルに並べて乾燥しないように保ちます。室温においてください。幼根がでてきたら、鉢の栽培土に移します。アサガオの種皮はとても固いのですぐ発芽しませんが、扱い方はアサガオの育て方の本があれば参考にしてください。なるべく明るい場所に置き、双葉が開いて、頂芽が伸び始めたら、植物を短日条件にしてやります(短日処理といいます)。夜は電灯などが当らないように、完全な暗黒状態にしてやります。どれだけの長さ暗黒に置けばよいか品種によって違いますが、12時間暗黒にすれば良いと思います。
念のためこれを続けて数日間してみて下さい。例えば、ダンボールの箱の中に入れるとか、押入れの中に入れるとかしてやります。暗黒条件のときは途中で少しでも光をあてると短日の効果が無効になりますので、懐中電灯等で一寸覗いてみるなどということはしないでください。季節は冬ですから日照は短日ですが、外に置いたのでは温度が低くて植物が死んでしまいますので、室内に置き、昼間は窓際とか日当たりの良い所で育てれ場よいでしょう。育て方は、ふつうの鉢植えの草花を育てるのと同じでよいとおもいます。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2006-06-08
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