質問者:
小学生
カンカン
登録番号3131
登録日:2014-08-22
夏休み新潟のおばあちゃん家に行ったら、庭のもみじの木の1枝だけが赤くなっていました。みんなのひろば
1本のもみじの木の中で1枝だけが赤いのはなぜ?
見つけてから4日後、赤い葉っぱが散り始め、その枝の葉っぱだけが全部落ちました。
まだ夏だし、同じ木の他の葉っぱは緑色をしているのにどうしてでしょうか。
カンカン君
質問コーナーへようこそ。かんげいいたします。良い所に気がつきましたね。こういうことは植物のじょうたい等にきょうみをもって観察(かんさつ)していないと、見過ごしてしまうことが多いですね。これからも植物にきょうみを持ちつづけて、ふしぎに思うことをみつけ、どんどん質問して下さい。小学校何年生か分かりませんので、むつかしそうな漢字にはかっこの中によみがなを書いておきます。
一本の木の中で、ある枝や葉だけが他のものと異なったようすを示すことは良くみられることです。紅葉する樹は一部が早く色づいたり、反対になかなか紅葉しなかったりすることがあります。それぞれに原因があるはずです。そこで、まず紅葉とはどういうことか。どんなふうにして起きるのかということを学んで下さい。しかし、これについてはこまかく説明するよりは、すでにたくさんの関係がある質問と回答が「みんなの広場」にでていますので、それらを読んで下さい。難しいかもしれませんので、お父さんかお母さんに説明してもらうといいでしょう。「紅葉」ということばで検索(けんさく)してみて下さい。特に登録番号(とうろくばんごう)登録番号0388(紅葉現象)、登録番号1457(紅葉のふぞろいなこと)、登録番号2790(がいろ樹の紅葉のおくれ)は参考になるでしょう。ここでは、簡単に説明しておきます。植物の葉には葉緑素(ようりょくそ=緑色のもと)があって、この働きで太陽の光と空気中の二酸化炭素と根から吸い上げる水を材料にしてデンプンや糖(とう)などの栄養分を作ります。こうして成長をすすめ、身体の活動を維持(いじ)し、葉も緑に保つことができるのです。しかし、秋になって日が短くなり、太陽の明るさも低くなって来ますと、光合成も十分に行えなくなります。従って、葉は緑を失い(葉緑素が分解してしまう)、しまいには枯れてしまいます。秋に葉が黄色になる樹では、葉緑素があったために隠れて見えなかった黄色のカロチノイドが見えるようになるからです。イチョウ等がそうですね。モミジなどの紅葉する葉では葉緑素がなくなると、アントシアニンという赤〜紫系の色素が新たに合成されてきます。この色素はブドウ、ブルーベリー、リンゴなどの色をの元になっています。
さて、ご質問のモミジの樹のひと枝だけに紅葉が起きた原因(げんいん)ですが、実際にどのようなじょうたいにあった枝なのか分かりませんので、考えられることをあげておきましょう。その枝の葉がぜんぶ紅葉したということですから、それぞれの葉に原因があったというよりは、その枝に原因があったのだと思います。そのためにその枝についている葉の葉緑素の分解を早まったいうことになりますね。その枝について3つのことが考えられます。第一に、その枝の早い紅葉は今年だけのものか。第二に、その枝の早い紅葉は毎年おきることなのか。第3三に、その枝は早い紅葉のあと枯れてしまうのか。ということから考えてみましょう。第一の場合だと、今年だけ何かその枝全体に異常(いじょう)が起きて、その枝についている葉は緑をたもつことができなくなってしまったのでしょう。病気なのか、虫がついたのか、どんな原因かは分かりまかりません。第二の場合は、その枝はもともと遺伝的(いでんてき)に、はやく葉緑素がなくなるようにできているのかもしれません。植物は動物と違って、身体の部分で遺伝的な異常が起きるとそのまま残ることはめずらしいことではありません。枝は茎(幹=みき)についている葉のつけ根の上側につくられる芽(側芽=そくがといいます)がのびてできるものです。ですから、この芽ができるときに遺伝子の異常が起きたのかもしれません。第三の場合は、やはりその枝に何か異常が起きたのですが、回復(かいふく)できないほどの致命的な(ちめいてき)のものだったのでしょう。枝は茎(幹)と同じで、中心に生命活動の維持に必要な水や栄養分を運ぶ管があります。この管は葉の中につながっています。葉にみられる筋のようなもの(ようみゃく=葉脈といいます)がそれです。たとえば、もし、この枝の管が昆虫や、微生物(びせいぶつ)等が原因でつまってしまったら、葉は食料をたたれたように生命活動を終わらねばなりませんね。他の原因があるかもしれません。
いじょうのようなことですから、ざんねんですが、これがその理由だと答えることはできません。これらのことをたしかめるたには来年までかかりますが、枝に印をつけて来年またぜひ観察して下さい。
質問コーナーへようこそ。かんげいいたします。良い所に気がつきましたね。こういうことは植物のじょうたい等にきょうみをもって観察(かんさつ)していないと、見過ごしてしまうことが多いですね。これからも植物にきょうみを持ちつづけて、ふしぎに思うことをみつけ、どんどん質問して下さい。小学校何年生か分かりませんので、むつかしそうな漢字にはかっこの中によみがなを書いておきます。
一本の木の中で、ある枝や葉だけが他のものと異なったようすを示すことは良くみられることです。紅葉する樹は一部が早く色づいたり、反対になかなか紅葉しなかったりすることがあります。それぞれに原因があるはずです。そこで、まず紅葉とはどういうことか。どんなふうにして起きるのかということを学んで下さい。しかし、これについてはこまかく説明するよりは、すでにたくさんの関係がある質問と回答が「みんなの広場」にでていますので、それらを読んで下さい。難しいかもしれませんので、お父さんかお母さんに説明してもらうといいでしょう。「紅葉」ということばで検索(けんさく)してみて下さい。特に登録番号(とうろくばんごう)登録番号0388(紅葉現象)、登録番号1457(紅葉のふぞろいなこと)、登録番号2790(がいろ樹の紅葉のおくれ)は参考になるでしょう。ここでは、簡単に説明しておきます。植物の葉には葉緑素(ようりょくそ=緑色のもと)があって、この働きで太陽の光と空気中の二酸化炭素と根から吸い上げる水を材料にしてデンプンや糖(とう)などの栄養分を作ります。こうして成長をすすめ、身体の活動を維持(いじ)し、葉も緑に保つことができるのです。しかし、秋になって日が短くなり、太陽の明るさも低くなって来ますと、光合成も十分に行えなくなります。従って、葉は緑を失い(葉緑素が分解してしまう)、しまいには枯れてしまいます。秋に葉が黄色になる樹では、葉緑素があったために隠れて見えなかった黄色のカロチノイドが見えるようになるからです。イチョウ等がそうですね。モミジなどの紅葉する葉では葉緑素がなくなると、アントシアニンという赤〜紫系の色素が新たに合成されてきます。この色素はブドウ、ブルーベリー、リンゴなどの色をの元になっています。
さて、ご質問のモミジの樹のひと枝だけに紅葉が起きた原因(げんいん)ですが、実際にどのようなじょうたいにあった枝なのか分かりませんので、考えられることをあげておきましょう。その枝の葉がぜんぶ紅葉したということですから、それぞれの葉に原因があったというよりは、その枝に原因があったのだと思います。そのためにその枝についている葉の葉緑素の分解を早まったいうことになりますね。その枝について3つのことが考えられます。第一に、その枝の早い紅葉は今年だけのものか。第二に、その枝の早い紅葉は毎年おきることなのか。第3三に、その枝は早い紅葉のあと枯れてしまうのか。ということから考えてみましょう。第一の場合だと、今年だけ何かその枝全体に異常(いじょう)が起きて、その枝についている葉は緑をたもつことができなくなってしまったのでしょう。病気なのか、虫がついたのか、どんな原因かは分かりまかりません。第二の場合は、その枝はもともと遺伝的(いでんてき)に、はやく葉緑素がなくなるようにできているのかもしれません。植物は動物と違って、身体の部分で遺伝的な異常が起きるとそのまま残ることはめずらしいことではありません。枝は茎(幹=みき)についている葉のつけ根の上側につくられる芽(側芽=そくがといいます)がのびてできるものです。ですから、この芽ができるときに遺伝子の異常が起きたのかもしれません。第三の場合は、やはりその枝に何か異常が起きたのですが、回復(かいふく)できないほどの致命的な(ちめいてき)のものだったのでしょう。枝は茎(幹)と同じで、中心に生命活動の維持に必要な水や栄養分を運ぶ管があります。この管は葉の中につながっています。葉にみられる筋のようなもの(ようみゃく=葉脈といいます)がそれです。たとえば、もし、この枝の管が昆虫や、微生物(びせいぶつ)等が原因でつまってしまったら、葉は食料をたたれたように生命活動を終わらねばなりませんね。他の原因があるかもしれません。
いじょうのようなことですから、ざんねんですが、これがその理由だと答えることはできません。これらのことをたしかめるたには来年までかかりますが、枝に印をつけて来年またぜひ観察して下さい。
JSPPサイエンス・アドバイザー
勝見 允行
回答日:2014-09-02
勝見 允行
回答日:2014-09-02