学会活動
会長挨拶
日本植物生理学会
会長 榊原 均
PCPの発展なくして学会の発展なし
このたび、日本植物生理学会の会長を拝命いたしました。歴代会長ならびに関係者の皆さまが築いてこられた本学会の伝統と実績を受け継ぎ、そのさらなる発展に貢献すべく、2年の任期の間、諸事に着実に取り組んでまいります。どうかよろしくお願いいたします。
会長就任にあたり、私が特に重視する課題は、①MIRAI 2030の着実な実施、②学会誌Plant & Cell Physiology(PCP)のさらなる発展、そして、③海外関連学会との連携による年会の国際化、の3点です。
まず、経塚淳子前会長が創始・推進された「MIRAI 2030」は、本学会がこれまでに築いてきた財政基盤の上に立ち、将来の本学会を担う若手研究者に投資する極めて重要な取り組みです。本プロジェクトは、若手研究者の国際活動支援を柱とし、同時に本学会およびPCPの国際的プレゼンスの向上や、年会におけるダイバーシティ推進を目的としています。具体的には、若手研究者の海外研究室での2~3か月程度の滞在支援(MIRAI 2030国際派遣(中期))、海外で開催される学会への参加支援(MIRAI 2030国際派遣(会議))、海外研究者の招聘支援(MIRAI 2030国際招へい)などの事業を中心に展開しています。今後は、これらの施策を着実に実施するとともに、その効果を検証しながら、必要に応じて変更を加え、実効性の高いプログラムとして発展させていきます。JSPPメール配信やウェブサイトを通じて案内をさせていただきますので、会員の皆さまにはぜひ積極的に活用していただくとともに、ご意見やご提案をお寄せいただければ幸いです。
次にPCPについて申し上げます。本学会は、年会を中心とした研究交流、各種委員会活動による多面的な支援やアウトリーチ活動、そして学術発信を通じて日本の植物科学を牽引してきましたが、その中核にあるのがPCPです。PCPは単なる論文発表の場にとどまらず、本学会の国際的プレゼンスの確立、budding editorプログラムを通じた若手研究者の育成、さらには学会の財政基盤を支える極めて重要な存在です。本学会はPCPを出版するオックスフォード大学出版(OUP)とプロフィットシェア契約を結んでおり、PCPの販売利益の55%が学会収入として還元されています。実際にはこれが学会活動の主要な財源となっており、学会の持続的発展を支える根幹であり、その成否は学会の将来に直結します。
この点を踏まえ、私は「PCPの発展なくして学会の発展なし」という認識を、会員の皆さまと共有したいと考えています。もしPCPの質や存在感が低下すれば、投稿数や購読が減少し、財政基盤の弱体化を招き、結果として学会活動全体の縮小につながりかねません。一方で、PCPの魅力と国際的評価が高まれば、優れた研究成果が集まり、その可視性が向上し、さらなる投稿と引用を呼び込む好循環が生まれます。この正のフィードバックをいかに強化するかが、今後の学会運営における最重要課題の一つであると考えます。
現在、東山哲也編集長のリーダーシップのもと、編集体制の強化、迅速かつ公正な査読、魅力的な特集号の企画など、PCPの価値向上に向けた取り組みが着実に進められています。しかし、これらの取り組みを真に実りあるものにするためには、会員一人ひとりの主体的な関与が不可欠です。すなわち、優れた研究成果をPCPに投稿すること、質の高い査読を担うこと、さらにはエディターとして編集に関わることが、学会全体の発展に直結します。「自らの学会誌を自らの研究で発展させる」という意識を、ぜひ共有していただきたいと思います。学会としても、PCPの認知と活用をさらに促進するため、またパートナーであるOUPとの連携体制を強化するために新たに専門委員を配置し、論文の発信力強化にも取り組んでいきます。詳細は改めてご紹介する予定です。
第三に国際連携についてです。本学会は、2017年からTaiwan Society of Plant Biologists(TSPB)との交流を開始し、これまで4回の共同シンポジウム(TJPB2017、2023 / JTPB2019、2026)を相互に開催してきました。また、2024年からAmerican Society of Plant Biologists(ASPB)とも具体的な交流を開始し、2024年のASPB年会(Plant Biology)で若手研究者の交流イベント、2025年ASPBミルウォーキー大会と2026年JSPP東京大会ではJSPP-ASPB合同シンポジウムを開催しました。2027年のASPBアルバカーキー大会でも合同シンポジウムを開催予定です。覚書締結により、JSPP会員はTSPB、ASPBの年会に会員参加費で参加できます。もちろんその逆も同様の措置が取られます。さらに現在、Australian Society of Plant Science(ASPS)との連携についても対話を始めています。これら環太平洋地域の学会との連携を一層深化させることで、相互の年会参加を促進し、特に若手研究者の国際的ネットワークの拡充につなげていきたいと考えています。
最後に、改めてお願いいたします。皆さまの優れた研究成果を、ぜひPCPに投稿してください。そして、査読や編集活動にも積極的にご参画ください。本学会の未来はPCPとともにあります。私たち自身の手で学会誌をさらに発展させ、その価値を高めていくことが、日本の植物科学の未来を切り拓く力になると信じています。私たちはしばしば謙遜を重んじるあまり、自らの学会誌に対する誇りを十分に表現できていないのかもしれません。しかしPCPは、日本発の国際誌として誇るべき存在です。今後2年間で、会員がPCPに誇りを持ち、積極的に支える文化をさらに醸成していきたいと考えています。
会員の皆さまとともに、この挑戦に取り組んでいけることを心より願っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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- クミアイ化学工業株式会社 研究開発部
- クリムゾン インタラクティブ プライベート リミテッド
- 住友化学工業株式会社 農業化学品研究所図書室
- 全農営農総合対策部 生産システム研究室
- 株式会社 NOKA
- 日産化学株式会社 生物化学研究所
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- 日本たばこ産業株式会社 植物イノベーションセンター
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