日本植物生理学会
会長 三村徹郎

会長 三村徹郎の写真

 2018年3月27日の札幌における代議員大会において、これからの2年間、福田裕穂会長の後を継ぎ、一般社団法人日本植物生理学会の会長を務めさせて頂くことになりました、神戸大学理学研究科の三村徹郎です。
 1982年に自分の最初の論文をPCPに掲載してもらってから既に36年が経ちますが、その間年会での発表や、PCPへの論文掲載が、私のキャリアを作ってきてくれたことは間違いありません。さらには、この10年以上、学会運営にも何度も携わらせて頂き、その間に専門分野の異なる多数の植物生理学会会員の方々ともご一緒することができ、この会の幅広い専門性とその高いレベルに接することが出来たことが、私自身の世界を大きく広げてくれました。若い時から今に至るまで、私の多くを支えてきてくれた日本植物生理学会に、微力ながらも恩返しを出来るように、この2年間頑張らせて頂きたいと思います。

 会員の皆さまも良くご存知のように、福田会長率いる前期執行部は、西村いくこ会長からバトンタッチされた植物生理学会の国際化を様々な形で進められ、特に昨年11月に台北で開催されたTaiwan-Japan Plant Biology (TJPB) 2017には、300名近い日本人が参加して、台湾の研究者や学生と交流するという一大イベントとして実を結びました。今後の植物生理学会の大きな課題の一つとして、この国際化の流れをさらに発展させることが挙げられます。学会設立60周年にあたる来年の名古屋年会では、TJPB2017に続く第2回目の国際集会を、台湾から多くの方をお迎えして開催すべく名古屋地区の会員の皆さまを中心として準備が進んでいますし、今後はさらに幅広い国々との交流が期待されています。  学会のもう一つの大きな柱は、PCPの出版です。本会はそもそもPCPを出版するための会として設立されたものと聞いていますが、先輩諸氏のご努力により、その期待に違わずPCPが世界的雑誌として大きく羽ばたき、今や植物生理学会の大黒柱であることはご承知の通りです。PCPによる財政基盤の充実が、本会に様々な活動を許していることからも、今後もPCPをどのように発展させて行くかが、編集委員会や執行部の重要な課題となっています。既に、完全オンライン化を見据えた検討が始まっていますし、他の似たような状況にある外国の諸雑誌からさらに一歩抜け出していくためには、皆さまのご協力が何より重要となっています。

 このように植物生理学会の現時点での活動は、年会の国際化、PCPの出版など順調に進んでいます。これも会員の皆さまの植物生理学会への積極的なご参加の賜物と言えます。一方で、学会会員数の減少は、TJPB2017のお陰か、昨年はその傾向が一時的に止まりましたが、日本全体が少子化の流れの中にある限り本会もそれと無関係とはいきません。そのような中で、学会のアクティビティを高く維持し続けるには何が必要かを考えていくことも大きな課題の一つです。  ポストドク・任期制研究者の雇用は、尚、大きな問題として続いていますが、その中で近年は、多くの日本人若手研究者が海外で自分の研究室を持つ時代となり、学会員の中にもそのような形で研究を続けられている方々が出て来ています。その一端は、植物生理学会通信の記事(海外PI便り)にもある通りです。これらの方々やそれに続く方々を学会がどのように支援できるかも大切な課題の一つでしょう。さらに次世代を担う若手研究者の育成をどのように進めるか、これには中学、高校から大学学部レベルで、基礎植物科学に興味を持つ若い方達にどのようなメッセージを送れるかも、植物生理学会の重要なミッションであると考えています。

 これらの取り組みの何もかもができるはずもありませんが、せめて少しずつでも先へ進めるための努力を、運営委員の方々とともに行っていきたいと思いますので、会員の皆さまにはどうぞご協力の程よろしくお願いいたします。

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