一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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街路樹のポプラとプラタナス

質問者:   一般   甲子園筋の並木
登録番号1039   登録日:2006-09-09
西宮市甲子園筋の道路脇にポプラとプラタナスが植えられていますが、古木で高木のため切られようとしています。
風に弱く倒壊する可能性が高いと言う理由ですが、これらの木は、どのくらいを古いと言い、街路樹としての危険性についてお教えください
甲子園筋の並木さま

 みんなの広場へのご質問ありがとうございました。担当の柴岡ともうします。ポプラやプラタナスが古いかどうかというご質問ですが、樹木にはその種に決まった寿命というものは無く個体によって生きる長さはまちまちです。虫に食われるとか、病気になるとか、風で倒されるとか、などの不都合が起きない限り、樹木が無限に生き続けられない理由は見当たりません。事実、アメリカ西海岸に自生するセコイアのようにキリストが生まれる前から生き続けている樹木もあります。ご質問のポプラやプラタナスの場合、寿命が尽きたわけではなく、なんらかの不都合があって、弱って来ているのではないかと思います。考えられる不都合の第1は水です。街路樹ということなので、周囲は鋪装されており、雨が降っても水が根に十分に行き渡っていない可能性が高いと思います。次は空気です。自動車の排気ガスの中には植物の老化を促すエチレンというものが多量に含まれています。あとは光です。植物の家計を支えているのは葉で、葉に光が当たった時にできる光合成産物が、植物の唯一の収入です。幹や根は稼がずに消費だけしますので、木が大きくなるにつれ、植物の家計は苦しくなります。木が小さい時には十分だった光も木が大きくなると足らなくなるのです。病気は大丈夫でしょうか。外から見ただけでは分からなかったのに、倒れたあと調べたら、幹の中心が木材腐朽菌のようなもので腐っていたなどと言うことは多いのです。樹木の健康状態を調べる専門のお医者さんがおられるそうです。切るべきか、残すべきか。そのような方の診断を仰ぐのが良いのでは無いでしょうか。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2006-09-09
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